加藤美紀:風・花 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 7月 24日 |
大きな前提であったがはずのものが瓦解してしまった昨今。そんな中、商業美術と純粋芸術、伝統美術と現代美術、ストリートアートとハイアートのような制度区分は、3.11以後のリアリティにおいては、いっそう欺瞞に満ちた脆弱なものに映るかもしれません。ここTENGAI GALLERYでは、旧世代の遺物のような枠組みや常識に捉われない、越境的かつ下剋上的な地平を斬り開き、この閉塞感を吹き飛ばす活路を見出してゆく所存です。 イラストレーターから画家へと、異ジャンルから参入した加藤が今回、刺客となって挑むのは、昭和以降の日本画がある意味では避けてきたとも言える美人画の系譜。かつては日本画の柱の一つであった美人画の系譜を、日本画顔料ではなくガッシュによって鮮烈に現代に蘇らせます。時に古典の美人画の構図などを参照しつつ、現代的な視点と解釈を加えた作品には、美人画という男性の欲望に絡めとられがちなジャンルを、女性の視点から見返し、新たな光を当てようとする作家の野心も垣間見えます。作家独自の艶やかな美意識がふんだんに盛り込まれ、儚げに佇む凛とした女性たち。彼女らが醸し出す幻影に、しばし時を忘れ、酔い痴れて下さい。 本展は旧作を中心に再解釈した構成となります。是非ご高覧ください。 [作家プロフィール] オープニング・レセプション:8月22日(水) 18:00ー20:00 全文提供:TENGAI GALLERY 会期:2012年8月22日(水)~2012年9月19日(水) |
最終更新 2012年 8月 22日 |