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平田あすか:dejavu
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 5月 14日

≪春の足音-序奏曲-≫2009年 雲肌麻紙、水彩絵具、色鉛筆、鉛筆 74×141.2cm copy right(c) Asuka HIRATA / Courtesy of YOKOI FINE ART

≪森からの訪問者≫2009年 雲肌麻紙、水彩絵具、色鉛筆、鉛筆 97.2×128cm copy right(c) Asuka HIRATA / Courtesy of YOKOI FINE ART

平田あすかは、沸き上がったイメージを形にしていく過程でなぜこういうイメージになったのか?を自らに問いながら「物語を作っていく」ように描いていきます。

心の状態によって同じものを見ても全く違う印象を受けることがある。そのような「普遍的な無意識が作り出す形」を壊さないように絵に留める作業は、昨日見た夢を言葉にして人に伝える作業と似ています。頭の中だけのもやもやした印象的なイメージだけでなく、その時の自分の体調、置かれた状況、社会の出来事が織り交ざって作用し、言葉によって形作られていくようです。

メキシコ、ケニア、スペイン・・・海外のレジデンスでの滞在制作を通して、異なる文化、価値観に触発された平田の紡ぎ出す物語はプリミティブで独創的です。多くの出会いによって得たエネルギーがポジティブなオーラとなって作品から漂ってきます。平田の絵にはよく自然と人間の融合体が登場しますが、「自然と人間は循環して成り立っていることを思いながら描いている」というコメントからも自然(植物や野生動物)は平田作品になくてはならない要素であることが分かります。「森の目覚め」は、生活の中の祈りを描いたものです。原人、更に遡って猿人であった人類の、そのころの心はどこへいってしまったのか・・・そんな思いから制作した作品は、古代懐古ともとれ、現代の我々に幻想的で示唆的な印象を与えます。イメージと現実社会と自然循環、それらが取り巻いて形成されているのが平田あすかの世界です。

YOKOI FINE ART で初となる個展では「昨日の夢」をテーマにした新作絵画10余点を発表いたします。今までの作品は中央にイメージを持ってきて描かれてきましたが、その発展として、物語が広がり繋がるよう周りの世界が現れ始めました。サイズもより大きくなり紙いっぱいに平田の世界観が表現されています。

※全文提供: YOKOI FINE ART

最終更新 2009年 5月 15日
 

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