カロリーナ・ラケル・アンティッチ:ある日 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集3 |
公開日: 2012年 7月 04日 |
カロリーナ・ラケル・アンティッチの絵画作品では、主な画題として思春期を迎える前の幼い子供たちが描かれています。例えば戦争ごっこに興じる細身の少年達や、自我の目覚めを感じさせる表情をたたえた少女のポートレートなど。アンティッチの作品には、子供の持つ純真さや初々しさだけでなく、意固地さや残酷性といった多面的で移ろいやすい感情の揺らめきが、大きく余白を残した空間の中に繊細なタッチで捉えられています。これらの作品の前に立つ時、大人たちは、遠く記憶の底に埋もれた子供の頃の自分自身と再会するかのような印象を受けるかもしれません。 Art-U roomでの3度目の個展となる「ある日」では、いずれも新作となるキャンバス作品11点とドローイング2点で構成されます。何か悪戯でもしたのか蜂の群に追われて逃げ惑う少年。暗闇の中からじっと獲物の様子を伺う獣の輝く瞳。-どこか寓話的な世界感が漂うこれらの作品は、一見シンプルで素朴な表現ながら、画面から発するかすかな声に耳をそばだてることによって、生き生きとした豊潤なものがたりの世界へと見る者を誘っているかのように思えます。 カロリーナ・ラケル・アンティッチは1970年アルゼンチンのロザリオ生まれ。現在はイタリアのヴェニスにアトリエを構えて制作活動を行っています。彼女は2005年度のItalian Youth Art Prizeのファイナリストとして、同年開催された第51回ヴェニスビエンナーレにて作品が展示され、以降ニューヨークやミラノ、ロンドンなど欧米を中心に発表を行なっています。ぜひご高覧下さい。 後援:アルゼンチン共和国大使館 全文提供:Art-U room 会期:2012年6月28日(木)~2012年7月29日(日) 時間:12:00-19:00 日曜12:00-17:00 休日:月 会場:Art-U room |
最終更新 2012年 6月 28日 |