| EN |

荒木経惟:69猥景
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 5月 27日

≪69猥景≫2009年 B & W プリント 102x150cm | Courtesy of Taka Ishii Gallery | copyright(c) Nobuyoshi Araki | Courtesy of Taka Ishii Gallery

≪69猥景≫2009年 B & W プリント 102x150cm | Courtesy of Taka Ishii Gallery | copyright(c) Nobuyoshi Araki | Courtesy of Taka Ishii Gallery

69歳の誕生日に際し行われる本展では、6x9判にて撮影したモノクローム・プリントによる最新作品を発表いたします。

「69のカメラで撮るとすべて猥褻になっちゃう。俺のせいじゃない。カメラのせいだ。(中略)アートに溺れてるね、写真家たちをぶったたくつうようなことでやるんだ。今回は。俺は言うんだけどさ、写真を撮ることにおいてアート志向とか、そういうのなしに、写真の方がいいんだよ。」
荒木 経惟

エロス(性/生)とタナトゥス(死)をテーマに作品を発表し続けてきた荒木経惟は、写真とは「説明できそうな近場との関係性」だと語り、自身と被写体との関係こそが重要であり、第三者に対する意識の介在は不要であると述べています。

今回荒木はあえてモノクローム・フィルムを用いることにより、自身の写真に対する信念を凝縮することに専念しており、その姿勢はまるで自戒の念を込めているかのようです。

荒木の写真への思いが結実した今回の作品には、荒木の被写体への愛情と、被写体である女性や、花や、空が、荒木の愛に負けない愛を返そうとする、濃密な感情の交差が静かに香ります。

「天才写真家」としての不動の地位を確立しながらも、写真表現の可能性を追い求める荒木の欲望が満たされることはありません。

※全文提供: タカ・イシイギャラリー

最終更新 2009年 5月 25日
 

関連情報


| EN |