正木美也子:Who is Stalin? |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 5月 13日 |
≪2008 年12 月1 日 ベネチア サンマルコ広場≫2009年 90.9 X 72.7cm, oil on canvas copy right(c) Miyako MASAKI / courtesy of magical, ARTROOM magical,ARTROOM では、2007 年の『WORM HOLE episode6』(magica,ARTROOM,/六本木)以来の初個展になります。2008 年には『Identity ‒curated by Kentaro Ichihara-』(nca|nichido contemporary art/東京)、『SCOPE NY 08』(booth of magical,ARTROOM / NY)などに出品しました。 毎日、世界のどこかで起こる事件、災害、紛争、そのほとんどの出来事を私達は知ることができます。しかし実際に現場を目にすることは少なく、主に新聞、雑誌などの印刷物、またはテレビやインターネットの画面を通じて情報を入手します。では“知る”という行為そのものの強度はどれほどのものなのでしょうか?展覧会タイトルの「Who is Stalin?」とは、作家自身がかつて学生時代に解答した答案用紙を見つけたことからきています。理解したとされていた記憶、あるいは歴史への懐疑、つまり画像(イメージ)として得た情報と私たちとの間には大きな隔たりと矛盾が存在しています。 モチーフとして描かれているのはテレビ画面から得た社会的な事件です。モニターに映し出されるニュース映像、確実とされているもの、または事実とされているものと、そうでないものに線を引かず、その一つ一つの要素を点描のみで丁寧に抽出し描ききることで、その間にある不安定で不確定な現実を表出させます。結果、そこから浮かび上がるおぼろげな一場面は、見るものを初めて理解へと向かわせるのです。 形や空間を超え、ドットの海を漂い泳ぎきった先に暗示しているものを是非とも体験して頂けたら幸いです。 正木美也子 ※全文提供: magical, ARTROOM |
最終更新 2009年 5月 20日 |