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隅本大心 個展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 5月 17日

"sumimoto_03"
Acrylic on canvas
2012
145x130cm

現在アムステルダムのレジデンスプログラムで制作活動を続けている隅本大心の 弊廊での初個展を開催いたします。隅本はアーティストランのスペース「Art Trace Gallery」で個展を開催したあと、オランダに渡り、現在まで当地で作家 活動を展開している作家です。

隅本は、初期には物語を暗示する「家のある風景」を描いていましたが、やがて 身の回りの日常的な対象が自分の内面にイメージとして投影されるものを直裁に 表現することに傾きはじめます。直裁とは、内面に投影されたイメージの特性 (色、形、線、意味)をできるだけ感傷や情緒を排除して、そのまま表現しよう とすることですが、このあたりの事情を隅本は次のように語っています。

「今、キャンバスの仕事で持続的に考えていることは、できるだけシンプルに、 かつ深く、ということです。特定 のテーマというのは持っていません。モチーフはその時々で見つけてきたものを描きます。モチーフが持つ意味や歴史性などよ りは、その表層、表面のディティール、色、形に興味があります。シンプルに描 くというのは、僕の 場合、何かを省略したり簡略化したりするというのではなく モチーフの色や形に寄り添いながらも、できるだけ すばやく、少ないタッチで描 きたいと思っているからです...」

もちろん対象を(人間が)描くという点で、対象そのものをつかむことはおよそ 不可能な企てですが、恐らく隅本の狙いは、だったら自分に投影された対象のイ メージをできるだけ素直に骨太に表現して、それがどれだけ対象と人間のかかわりを暗示できるかやってみようというところにあるのです。

現今の絵画の流れからみると、隅本の作品はある意味で古典的な具象絵画といえ るでしょうが、しかしそのストイックな姿勢から生み出される作品は力強く、絵画のもつ力を改めて感じさせられます。一時帰国しての初個展となりますが、どうかご期待ください。

[作家プロフィール]
2000-2003 武蔵野美術大学卒
2007-2008 Rijksakademie van beeldende kunsten/Dutch Ministry of Education,
Culture and Science
2008 Stichting Niemeijer Fonds

[個展]
2005 Art Trace Gallery, Tokyo, JP
2006 Art Trace Gallery, Tokyo, JP
2007 A-things, Tokyo, JP

[グループ展]
2007 Rijksakademie van beeldende kunsten, Amsterdam, NL, 'Open Ateliers', (exh. cat.)
2008 ART Rotterdam 2008, in Witzenhausen Gallery, Rotterdam, nl
2008 Rijksakademie van beeldende kunsten, Amsterdam, NL, 'Open Ateliers'
2009 ART Rotterdam 2009, in Witzenhausen Gallery, Rotterdam, nl
2009 'Uit Japan', LUMC (Leiden University Medical Center), Leiden, nl

[レビュー他]
2007 Het Parool, 'LABORATORIUM. Niet alle talenten van de Rijks nemen een loopje met
de werkelijkheid', Kees Keijer en Jhim Lamoree, (1 December)
2005 Flash Art, 'Flash Art Reviews', Satoru Nagoya

オープニングパーティ 5月29日 17:00~20:00

全文提供:unseal contemporary


会期:2012年5月29日(火)~2012年6月16日(土)
時間:12:00 - 19:00
休日:日・月
会場:unseal contemporary

最終更新 2012年 5月 29日
 

関連情報


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