尾関幹人:PHYSICAL |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 5月 08日 |
この度、CLEAR EDITION & GALLERYでは尾関幹人の個展を開催いたします。 下絵を描くことも、習作をすることもなく、黒い紙とカッターの刃から即興的に生み出す作品は平面でありながらも身体表現の側面をもつ絵画です。学生時代に柔道励んだ尾関にとって、運動に変わる刺激と情熱をつぎ込める行為が描くことでした。次第に絵筆を使うよりも、失敗が許されず緊張感を有しながら思考と手先を連動させながら行う切り絵へと表現方法が進化していきました。 「一枚の素材(主に紙)を目で見つめ、脳で思考し、 その判断を手に伝え、手を制御して動かし紙を切ります。 その一連の連続行為の蓄積が、一点一点の作品に、 純度の高い「身体」の痕跡として残されます。 本来絵の存在は、平面の中に立体の存在を封じ込めるような架空のものであったはずですが、 身体から直接的な表現で生み出される切り絵の絵柄は、明確な線と面で構成された物質として 確かに現実に存在する物となります。」 ー 尾関 災害や放射能など日本をとりまく環境においては「身体」を意識せざるを得ません。そして今の尾関の興味は身体そのもののあり方であり、身体的な彼の表現は我々に改めて「身体」を見直すきっかけを与えます。いわゆる絵筆などの使用して描く絵画とはことなり、切り絵の場合イメージを描き出すには「周辺」を切り抜き輪郭を表す必要があります。思考と手先の運動をフルに連動させ、1つの塊(紙)を削ぎ落としながらイメージを浮かび上がらせる尾関の絵は平面でありながら極めて深い空間的、彫刻的な広がりを内包します。それは制作過程において様々な「間」と対峙した結果です。描きたい線と切り取らなければならない周辺の間、思考と手先との間、そして鑑賞者との間。多くの要素を思考、刃先の微細な動きへと変換し、積み重ねた結果が圧倒的なイメージを生み出して行きます。 [作家コメント] [作家プロフィール] 全文提供:CLEAR EDITION & GALLERY 会期:2012年6月1日(金)~2012年6月16日(土) |
最終更新 2012年 6月 01日 |