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スイスの絵本画家 クライドルフの世界
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Published: May 01 2012
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《自画像》
水彩・紙
1916年
ベルン美術館
©ProLitteris,Zürich

『くさはらのこびと』より 《こびとの村のふたつの敵対する家》
水彩、墨、グワッシュ・紙
1902年以前
ベルン美術館
©ProLitteris,Zürich

『バッタさんのきせつ』より 《秋のおまつり》
水彩、墨・紙
1931年
ベルン美術館
©ProLitteris,Zürich

白銀の雪を頂くアルプスの山々をはじめとするスイスの豊かな自然は、この国の芸術と切り離すことができません。絵本の世界においてもアルプスの美しい自然や澄んだ空気、そこに暮らす人々の素朴な生活は時代を超えて語りつがれ、世界中の子どもたちに愛されてきました。 スイスのベルンで生まれたエルンスト・クライドルフ(1863-1956)は、祖父母の住む東スイスの農村で過ごした幼年時代から自然の中で花や草木、昆虫をスケッチするのが大好きでした。画家を志し、ミュンヘンで念願の美術の勉強を始めたものの、学費を稼ぐために働きづめの無理がたたってすっかり体調を崩し、南バイエルンのアルプスで療養生活を送ることになります。大自然の中に息づく小さな生き物たちの世界―この静養中のアルプスでの体験がクライドルフの独特な世界を創造する原動力となっていったのです。 多色刷りの質の良い絵本がヨーロッパで花開いた19世紀後半から20世紀初頭にかけて、クライドルフはその黄金時代の先駆けをつくった画家と言えます。本展覧会はクライドルフ協会・財団とベルン美術館の全面協力のもと、美しい自然と豊かな芸術の国、スイスで育まれた画家クライドルフの世界を、絵本原画を中心とした約220点の作品でたどる日本で初めての本格的な回顧展となります。

[作家プロフィール]
エルンスト・クライドルフ
Ernst Kreidolf (1863-1956)

スイス・ベルン生まれの画家・詩人。コンスタンツの石版工房で修業をする。その後、ミュンヘンの警察報に指名手配の犯人の似顔絵を描くことで生活費を得ながらミュンヘンの美術工芸学校で商業デザインを、さらに美術アカデミーで絵を学んだ。苦学生で、学生時代に体調を崩し、バイエルンの山中で長い療養生活を送り、そのときに触れた自然が、処女作『花のメルヘン』(1898)に大きな影響を与えた。生涯で25冊の絵本を制作し、そのほとんどは文章も自分で手がけた。1917年以降は再びベルンに戻り、この地で生涯を終えた。ユーゲント様式の代表的な絵本画家とされる。

全文提供:Bunkamuraザ・ミュージアム


会期:2012年6月19日(火)~2012年7月29日()
時間:10:00-19:00(入館は18:30まで) 毎週土・日曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム

Last Updated on June 19 2012
 

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