スイスの絵本画家 クライドルフの世界 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 5月 01日 |
白銀の雪を頂くアルプスの山々をはじめとするスイスの豊かな自然は、この国の芸術と切り離すことができません。絵本の世界においてもアルプスの美しい自然や澄んだ空気、そこに暮らす人々の素朴な生活は時代を超えて語りつがれ、世界中の子どもたちに愛されてきました。 スイスのベルンで生まれたエルンスト・クライドルフ(1863-1956)は、祖父母の住む東スイスの農村で過ごした幼年時代から自然の中で花や草木、昆虫をスケッチするのが大好きでした。画家を志し、ミュンヘンで念願の美術の勉強を始めたものの、学費を稼ぐために働きづめの無理がたたってすっかり体調を崩し、南バイエルンのアルプスで療養生活を送ることになります。大自然の中に息づく小さな生き物たちの世界―この静養中のアルプスでの体験がクライドルフの独特な世界を創造する原動力となっていったのです。 多色刷りの質の良い絵本がヨーロッパで花開いた19世紀後半から20世紀初頭にかけて、クライドルフはその黄金時代の先駆けをつくった画家と言えます。本展覧会はクライドルフ協会・財団とベルン美術館の全面協力のもと、美しい自然と豊かな芸術の国、スイスで育まれた画家クライドルフの世界を、絵本原画を中心とした約220点の作品でたどる日本で初めての本格的な回顧展となります。 [作家プロフィール] 全文提供:Bunkamuraザ・ミュージアム 会期:2012年6月19日(火)~2012年7月29日() |
最終更新 2012年 6月 19日 |