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ジェイ・ムーン:Luminous
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 4月 19日

「Prison Lunchbox」2008年 | プレキシガラス、レゴ | H.20.0 × W.23.0 × D.11.5cm | ©Jaye Moon

「CUNT」2012年 | プレキシガラス、アルミニウムフレーム | 31.0 × 31.0cm | ©Jaye Moon

このたびGALLERY MoMo Roppongi では4 月28 日(土)から5 月26 日(土)まで、ニューヨークを拠点として、活動している韓国人アーティストのジェイ・ムーンによる日本初個展「Luminous」を開催いたします 。ジェイ・ムーンは、プラット・インスティチュートの彫刻科で学び、1994 年に 修士号を取得、その後ニューヨークでは 個展を2 度開催し、Art in America やArtforum にて作品が紹介されるなど、多くの好評を得ました。2006 年にもポロック・クライスナー財団の助成金を授与され、2009 年にはNYFA の奨学助成金プログラム、並びにAHL 財団賞にも選出されました。ジェイ・ムーンは、現代社会の発達とともに変化した私たちのインスタントでポータブルなライフスタイルを再現するべく、彼女自身が興味を寄せていた建築を用いて「ランチボックス」シリーズを創り上げました。半透明なプレキシガラスで創られたランチボックスの中に蛍光色のプレキシを入れ、外から見ると、まるでボックス内から灯がもれているような 暖かな色が浮かび上がります。この人為的に作られたものではなく、自然と浮かび上がる光は、私たちに幻想的な錯覚を与えてくれます。今展では、この「ランチボックス」に加え、このシリーズよりコンセプトを発展させた「コーナー」と「ミラー」、そして「ランチボックス」の材料となっているプレキシグラスを使った初期の作品を含めて約12 点の作品を展示予定です。それぞれが全く関係のないシリーズのように見えて、相互に影響し合い発展している彼女の作品を、この機会に是非ご高覧ください。

[作家コメント]
私は、建築空間と作為的オブジェクトに興味を持っている。初期の作品では、生活スペースを内部に施したランチボックス、スーツケース、収納ボックスや引き出しを制作した。私たちの社会に蔓延しているポータブルでインスタントなライフスタイルの概念を使用して近代建築を作りたかった。アイデアを表現するために、私はレゴと白の半透明と蛍光プレキシグラスを使用した。レゴは、建築様式、産業、機械的機能に基づいて、既製のオブジェクトに関連付けられている。幼稚で無邪気であるのと同時に、まだ人間味がなく客観的であるレゴに、私は玩具として興味を持っていた。半透明の表面からの蛍光プレキシグラスが作り出す反射光は、電気照明を使用するよりも微かで全体的に広がり、私はさらなる蛍光プレキシグラスへの興味をそそられた。
また、私は人々がスペースを理解する方法を模索し続けている。しかし、私の新しい作品では、本物のスペースを創る代わりに、鏡の表面で反射した仮想空間を形成する線を描いた。その線は光線のぐあいで緑色や紫色などに変わって見える蛍光プレキシグラスから構築され、アルミで額装した。虹色のプレキシグラスのミラー効果は、錯覚を出す。 照明や角度によって、光の配列、色や形状のバリエーションを生み出し、ミラーの表面と相互作用している。しかし、これらの効果のすべてが自然であり、電気機器は一切使われていない。
また、私は書式として番号コードで英語点字の翻訳に取り組んできた。現代社会において、自分たちを識別するために、住所、電話番号やその他のコミュニケーションツールに数字を用いている。私はそんな普遍的な存在の数字に興味を持った。数字で通信することは実用的であるが、私たちの感情は個人的な面が薄れるであろう。その背後にある意味を持っている作品中の数字はもはや単なる数字ではない。数字は抽象的で最小限のとユーモアのセンスを持つ私たちの感情の一部になりつつある。

2012 年 ジェイ・ムーン

[作家プロフィール]
韓国、ソウル生まれ。現在ニューヨーク在住。
[略年譜]
1994 Pratt Institute 彫刻科修了(ブルックリン、ニューヨーク、アメリカ)
1989 Sangmyung Womens University 彫刻科卒業(ソウル、韓国)
[個 展]
2011 Fountainhead Residency(マイアミ、フロリダ、アメリカ)
2009 Newman Popiashvili Gallery(ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
2007 Max Estrella Gallery(マドリード、スペイン)
2005 Newman Popiashvili Gallery(ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
2003 Steuben Third Gallery(ブルックリン、ニューヨーク、アメリカ)
1994 Schafler Gallery(ブルックリン、ニューヨーク、アメリカ)
1989 Yoon Gallery(ソウル、韓国)
[主なグループ展]
2010 「Objectified」Pelham Art Center(ぺルハム、ニューヨーク、アメリカ)
「Conundrum Express」Jamaica Center for Arts and Learnig(クイーンズ、ニューヨーク、アメリカ)
2009 「Textile Art Documenta」Daegu Art Center(テグ、韓国)
「Faces & Facts -Contemporary Korean Art in NY」Sylvia Wald & Po Kim Art Gallery(ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
「Eclectic Visionaries」Gana Art New York(ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
2008 「East West Dialogues ; Mysticism, Satire and the Legendary Past」Leila Taghinia-Milani Heller Gallery
(ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
2007 「The Dichotomic」 Gallery Korea(ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
2004 「Paradigm Arts Inaugural Exhibition」Paradigm Art (ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
「Opposites」Suite106 Gallery (ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
「Opposites」Suite106 Gallery (ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
2003 「Winter Auction」Dumbo Arts Center(ブルックリン、ニューヨーク、アメリカ)
2002 「To Scale」Rotunda Gallery(ブルックリン、ニューヨーク、アメリカ)
2001 「The Rebellion of Space」Dumbo Arts Center(ブルックリン、ニューヨーク、アメリカ)
1999 「Outer Boroughs」White Columns (ニューヨーク、ニューヨーク、アメリカ)
他多数
[受 賞]
2009 AHL財団賞
2006 ポロック・クライスナー財団賞

オープニングレセプション:2012年4月28日(土)18:00 - 20:00

全文提供:ギャラリーモモ 六本木


会期:2012年4月28日(土)~2012年5月26日(土)
時間:12:00 - 19:00
休日:日月祝日
会場:ギャラリーモモ 六本木
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第三 2階

最終更新 2012年 4月 28日
 

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