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河村哲生 : 滑り出る黒
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 4月 06日

河村哲生 SLIDE #2, glue/synthetic lacquer/wood, 47×51×9cm, 2010

河村哲生 The Field of Black, glue/synthetic lacquer/wood, 138×200cm, 2009

河村哲生 SLIDE IN/OUT, glue/synthetic lacquer/wood, 68x60cm, 2012(detail)

このたび、Frantic Gallery では、河村啓生の初個展を開催することとなりました。 河村は、形象を持たない「夜のイメージ」を、生々しい闇を呼吸する絵をグルーと合成漆を使って制作します。 作品「滑り出る黒」は、二つの相対する動きを生み出します。優勢な黒は、絵のベースから滑り出し、フレームを超える「夜」として、また「死」として観客の側へと流れ出ます。一方、観客は作品の闇に包み引き込まれ、底無しの「無」へと滑り落ちてしまうのです。この関係の仲介役は、蝶が担っています。蝶は、生と死、日と夜、意識と狂気の間に滑ることができる象徴的な存在として、黒い漆の表面上に浮かんでは、またモルビドグロースに溶けて消えていきます。 河村のオブジェは、絵画と彫刻の間の立場をとって、生と死のサークルを繰り返すようにお互いを入れ替える「形」と「無形」の動きを表します。これはすべての形象から逃げようとする羽ばたきのイメージで、すべてのファンタジーを投影できる「闇のスクリーン」になる。是非、当ギャラリーにて、河村のネクロ‐ポーリスと「滑り出る黒」の織りなす不思議をご体験ください.

[作家プロフィール]
Norio Kawamura (河村 啓生)
1987 Born in Gifu pref., Japan
2010 Graduated Osaka University of Arts, B.A., department of Art Planning
2012 Graduated Kyoto University of Arts, M.A., department of Sculpture
Group Exhibitions
2012 Kyoto University of Arts Graduation Show, Kyoto
2011 ChingTongKangKang, Kyoto Art University Gallery@KUA, Kyoto
2010 Wonder Seeds 2011, Wonder Sight Shibuya, Tokyo
2010 NOTE – Thinking out of Sculpture, Kyoto Art University Gallery@KUA, Kyoto

最終更新 2012年 4月 20日
 

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