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ナオミ・フィッシャー:ライン・イン・ザ・サンド
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 4月 08日

© Naomi Fisher | Courtesy of Tomio Koyama Gallery "untitled" (2009)

今回の個展では、フィッシャーが過去10年にもわたって蓄積してきた私的な「フォト・アーカイブ」からの未発表作品と、新作のペインティングをご紹介します。アーティスト本人と、今回のキュレーター、アガサ・ワラによって選ばれた180枚もの写真作品が、ギャラリー空間全体を壁紙のように覆うインスタレーションとなって立ち現れます。ドキュメンテーションとしての写真作品と、内なる世界への探求の場であるペインティングが互いに結びつくインスタレーションを、この機会に是非ご高覧ください。

「今回の展示では、ナオミ・フィッシャーの作品のなかでも親しみのあるモチーフ--力に満ちた下着姿で自然を慈しむ貴婦人--から、おそらくそこまで親しみのないもの--ひかえめな(抑圧された)自然、日々の題材を冒険するもの--まで、何気ない小さな宝石のような写真作品が、壁じゅうに散りばめられます。これらの作品に描かれた主題の多様さは、フィッシャーの視点の広さ、豊かさを雄弁に語っています。また本展覧会で展示される新作ペインティングは、前作から出発したのち、鑑賞者をフィッシャーの一連の思考の中心へといざないます。彼女の意識下、夢、そして写真から導かれる思考。新作ペインティングとともに多様な写真を展示することによってこの展覧会は、フィッシャーの世界への何層にも重なった、視覚的な旅へと出発できる空間となっています。」
- アガサ・ワラ

【作家プロフィール】
ナオミ・フィッシャーはここ十年間のあいだ国際的なアートシーンにおける対話に参加し続けている、マイアミ出身アーティストの一人です。 パリのthe Palais de Tokyo、キエフのPinchuk Art Center、リューネブルグのHalle fur Kunst、カンザス・シティのKemper Museum、ウィーンのKunsthalle Wein、バーゼルのthe Kunsthaus Basellandなどで展示をおこなってきました。また彼女の作品はthe San Francisco Museum of Modern Art、 Hirshhorn Museum and Sculpture Garden、the Rubell Family Collection、Deste Foundation、Museum of Contemporary Art, North Miami and the New Museum of Contemporary Art, Altoids Collectionなどのコレクションに加えられています。アーティストとしてのキャリアに加え、フィッシャーはアーティスト運営のオルタナティヴなアートスペース、the Bas Fisher Invitationalの共同設立・運営にたずさわっています。 アガサ・ワラは現在マイアミを拠点に活動中のアーティスト/キュレーターです。2004-2008の間彼女は東京に滞在。日本初の国際的現代アートのアートフェア、101TOKYOの共同設立、そしてディレクターを勤めました。マイアミのFredric Snitzer Galleryでの最近のプロジェクト、Death By Baseでは、6人の海外作家に加えKen Kagami、Yamatake EYE、Yoshiaki Kuribara、アーティストグループChim↑Pomをフィーチャーしました。展覧会やキュレーションのプロジェクトで新進気鋭の日本人アーティストを紹介しながら、ワラは日本の現代アートへの興味を深めています。現在はナオミ・フィッシャーとハーナン・バスによって設立・運営されているthe Bas Fisher Invitationalと共に活動をおこなっています。

※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2009年 4月 11日
 

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