宮永愛子:そらみみのおすそわけ |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 11月 02日 |
この度、三宿のアート・スペースC A PSU LE では、2011年11月3日(木・祝)から6日(日)までの4日間、宮永 愛子「そらみみのおすそわけ」展を開催します。本展では、制作後間もない宮永 愛子の作品『そらみみみそら』を所蔵する3 名が、それぞれの作品を持ち寄り、皆さんと共にひとときの間その音色を共有します。会期中は、毎日18 時から20 時までの2 時間、人数限定の空間にすることで音と作品をゆっくりと鑑賞できます。 ナフタリンや塩などの素材を使用し、ものが持つ記憶や物語を紡ぎだすアーティストとして知られる宮永 愛子ですが、歴史ある京都の陶芸家の家系に育った彼女は、伝統的な陶芸の手法や素材も多く作品に取り入れます。器に塗る釉薬の調合により、釜場から出された後も、器が冷えるにつれてその表面にヒビが入る「貫入」が起こり、澄み渡った音を放つ『そらみみみそら』。薄いガラスがそっと触れ合うようなかすかな音は、私たちの耳に届けられる一瞬のうちに再び静粛のなかへと戻り、その記憶をたぐりよせようと意識を傾けると、またどこかで慎ましい響きを奏でます。やがて音は少しずつ変化しながらも、決して消え入ることなくそこにあり続け、私たちに繰り返しその存在を知らせるのです。 一人では聞き逃してしまうかもしれないかすかな音を、他の誰かが聞き取ることで、器の演奏は無限に広がりを見せることでしょう。秋の夜長と共に、ぜひその共演をお楽しみください。 宮永 愛子/みやなが あいこ 協力:ミヅマアートギャラリー ※全文提供: 特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/ エイト] 会期: 2011年11月3日(木)~2011年11月6日(日) |
最終更新 2011年 11月 03日 |