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伊藤純代:おままごと
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 31日

Copyright© Sumiyo Ito | 画像提供:ナンヅカ・アンダーグラウンド

伊藤純代のデビュー個展「おままごと」を開催致します。本展は、新作の立体作品約10点によるインスタレーションとなる予定です。

伊藤純代は1982年長野県生まれ、2009年武蔵野美術大学修士課程造形研究科彫刻コースを修了後、これまでに「Toyota Art Competition とよた美術展2010」で準大賞を受賞し、今年の「トーキョーワンダーウォール公募2011」にて、立体作品部門における大賞を受賞するなど、注目の若手女性アーティストです。

伊藤の作品は、幼少期の記憶や体験と深く関係しています。私たちの誰しもが子供の頃に持ち合わせているイノセントな暴力性や自由な創造性は、伊藤の創作活動における重要なテーマです。「私は子供の頃、捕まえたトンボの内側を見たいが為にその殻を剝くという行為をくりかえした」と告白する伊藤の体験談は、決して特異なものではありません。人形を解体したり、それらを繋ぎ合わせて新しいキャラクターを作ったり、そういう何気ない作業の拡大によって生み出される伊藤の作品は、私たち人類が好奇心という根源的な欲求によって進化を遂げてきたという事実に忠実です。

本展「おままごと」は、役柄を振り分けて家庭の営みを模する幼少期特有の遊びにおいて子供達が抱く「環境」や「状況」への征服欲がテーマとなっています。おままごとの参加者は「周りの環境を我がものにしたい」、「キャスティングを思いのままに設定したい」という欲求を少なからず抱きますが、伊藤はこうしたイノセントな子供の欲求を造形化することを試みています。

伊藤は、今回の個展に寄せて、次のように語っています。
「死への興味と恐怖、生への恐怖と希望。私が作る彫刻はエロースとタナトスの循環を(すくなくとも現実では操れないその循環を)支配する快楽を得たいという行為から生まれる塊である。」

※全文提供: ナンヅカ・アンダーグラウンド


会期: 2011年11月19日(土)~2011年12月17日(土)
会場: ナンヅカ・アンダーグラウンド
オープニングレセプション:11月19日 18:00 − 20:00

最終更新 2011年 11月 19日
 

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