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廣江友和:Uneasy place
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 3月 26日

“around house” 2009 | 60.5 x 91cm, oil, plastic on canvas mounted on panel | copyright(c) Tomokazu HIROE | Courtesy of MEGUMI OGITA GALLERY

廣江友和は1976年東京都に生まれ、武蔵野美術大学油絵学科とパリ国立高等美術学校で絵画を学びました。廣江の絵画の特徴は二次元的な表現と三次元的な表現が共存しどちらでもない新たな空間がその画面に現れているところです。

また技法にもこだわりを持っています。彼の作品は古典技法の一つでルーベンスなどと同じ第二フランドル技法によってモチーフの光と影を効果的に強調して立体的に描かれています。現代絵画はただ絵具をチューブから出し、キャンバスに塗るだけで基本的な技法も知らずに表現内容に重点をおいているのに対し、彼の絵に対する姿勢は異なっています。本来、物作りに対してこだわりの多い国民性を持っている我々にとって技法のこだわりは自然のことのように思われます。技術の部分にだけこだわって退屈な作品になってしまう作品が多いことは否めませんが、表現内容においても独自性のある彼の作品ではより説得力を持ち見る者を飽きさせません。白い画面に2次元的な書道を思わす緊張感溢れる赤い線や、平面的で装飾的に描かれた炎と立体的に丁寧に描かれた人物像や、おもちゃの家が同一の画面で描かれることで画面の中にありえない二次元でも三次元でもない異次元の世界を生み出します。こだわりから生まれた発色に加え表面にプラスチックビニールのコーティングで艶のある表面がより一層作品の魅力を引き立てます。海外におきましても昨年はシカゴのNEXT art fairで上條花梨との二人展で彼の独創性は強い印象を与え好評を博しました。

今展ではプラモデルの家を中心にしながら動物のぬいぐるみ、兵隊のおもちゃ、リカちゃん人形を題材に一見した親しみとは裏腹にどこか不安を誘うような作品を展示致します。 今展では新作約八点を展示予定です。現代日本人画家の描く和風テイストの絵画とは一線を画す廣江の描く日本の画にどうぞご期待下さい。

※全文提供: メグミオギタギャラリー

最終更新 2009年 5月 15日
 

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