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スーパーポジティブ:世界への愛着
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 19日

今村花子 | Copyright© Hanako Imamura | 画像提供:京都障害者芸術祭実行委員会

SUPERPOSITIVE /スーパーポジティブ̶̶「超肯定」と翻訳できるこの造語を、「特定の行為やイメージ、物質に強い愛着を持ち、それらを介して世界を超肯定的に捉える姿勢」と定義し、そのような姿勢で作品制作を続けてきた24 名のアウトサイダーアーティストたちの作品を、「Multicolored:色彩のアート」、「Record:記録/記憶するアート」、「Collection:蒐集/集積のアート」、「Narrative:創世のアート」の4 つのセクションに分けてご紹介します。

例えば、25 年にわたって約1000 枚も描かれたという、ほとんど同じ形で配色の異なる家の絵や、食べ残した食材を畳の上に並べるという日常的に繰り返される不思議な行為を淡々と記録したスナップ写真など、ここで取り上げる作品はそれぞれ何かに執着し続けた結果、常識を突き抜けてアートの域にまで昇華されたものたちです。

個々の作品のもとになっている多種多様のこだわりは、その当事者にとってはすべて重要なことに違いないのですが、私たちにはその意味や目的を推し量ることが困難なものもあります。故に、本展覧会に展示される作品の中には一見しただけでは理解できない難解なものも含まれています。しかしながら、謎解きをするようにそれら作品とじっくりと向き合えたならば、私たち観る者もその意味を理解し、重要性を共有することができるのではないでしょうか。タイトルのスーパーポジティブは、そのような各作品の独自の、見方によってはいびつともいえる世界観を「超積極的」に評価していこうというメッセージでもあります。

障がいのある人たちのユニークな創作行為によって生み出されたバラエティ豊かな作品群は、私たちの感覚を刺激し、常識を揺さぶります。そして、現実世界との関わり方のカタチは人それぞれで、決してひとつではないということを教えてくれるでしょう。会場を後にした時、それまでよりも世界を色鮮やかに、そして、より広がりを持ったものとして感じられる。本展覧会がそのひとつのきっかけとなれば、と願っています。

企画: 社会福祉法人松花苑みずのき
キュレーション: 宮下忠也

出品作家 :
二 井貞信 / 和田良弘 / 八重樫季良 / 木村全彦 / 村上孝 / 木伏大助 / 戸來貴規 / 今村花子 / 柿沼陽介 / 吉澤健 / 池田真悟 / 伊藤樹里 / 大倉史子 / 澤田真一 / 下田賢宗 / 堀田哲明 / 水谷伸郎 / 上里浩也 / 石野敬祐 / 二見幸徳 / 山崎健一 / 土屋正彦 / 宮宏一郎 / 富塚純光

京都とっておきの芸術祭優秀作品展
「SUPERPOSITIVE スーパーポジティブ:世界への愛着」展とともに、「京都とっておきの芸術祭」に応募いただいた作品のなかから優秀作品を展示いたします。今年で17 回目を迎える「京都とっておきの芸術祭」は、障がいのある人たちがそれぞれの個性と才能を発揮する場として、また、交流の場として、障がいのある人たちの自立と社会参加の促進に寄与することを目的に開催されてきました。2012 年1 月12 日(木)-15 日(日)には、京都市美術館別館にて「とっておきの芸術祭-公募作品展-」として応募いただいた全作品を展示するほか、様々な取り組みを紹介する企画展や来場者に参加いただけるワークショップを実施いたします。

京都とっておきの芸術祭 優秀作品展
2011.11/4 (金)- 6 (日) 9:00a.m. - 5:00p.m.
日図デザイン博物館 SUPERPOSITIVE と同会場にて京都府内の障害のある方の公募作品のうち優秀作品を展示

同時開催
「ほっとはあとアートフリーマーケット」
11/6 日 9:00a.m. - 5:00p.m.
みやこめっせ前
障害のある方のアートを活かした製品を販売

開催予告
「京都とっておきの芸術祭 ~公募作品展~」
2012. 1/12 (木) -15 (日) 9:00a.m. - 5:00p.m.
京都市美術館別館
京都府内の障害のある方の公募作品展、企画展、ワークショップ等

※全文提供: 京都障害者芸術祭実行委員会


会期: 2011年11月4日(金)〜2011年11月6日(日)
開館: 9:00~17:00
会場: 日図デザイン博物館

最終更新 2011年 11月 04日
 

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