| EN |

移動するメディア
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 15日

画像提供:Antenna Media

「メディア」と「鉄道」―これら2つの要素には様々な繋がりがあります。「メディア」という言葉から一般的に連想されるマスメディアの広告は、鉄道の中や駅舎で多く目にされます。また、鉄道の中に目を向けると乗客が流れる窓の風景を横目に、携帯電話などの情報のやり取りをする「メディア(機器)」によるネットワーク通信に没頭している様子がしばしば見られます。そして、出発地と目的地のあいだを繋ぐ乗り物・鉄道それ自体もまた「メディア(手段)」であるといえます。「中間」を指す「メディア(メディウム)」という言葉はもともと多様な意味を持っていましたが、鉄道が象徴するような近代性との出会いによって、そのイメージは画一化されてしまったように思われます。しかし、近年では急速に発達した情報技術によってその意味は再び多岐に及ぶようになり、複雑に絡み合うメディアの時代が到来したと言えます。そこで、Antenna Mediaでは3つの展覧会を通して「メディア」を様々な角度から検証し、これからのメディアの在り方を考察する起点の場をつくり出します。

01 : Access Recording 会期=2011年 10月22日(土)- 11月13日(日)
古くは牛車に始まった京都の交通事情も、現在の地下鉄・バス・車や自転車というかたちへと変貌を遂げました。本展では人々の動線に着目し、Antenna Mediaに集う人たちの交通網をグラフィックへと展開し、都市や社会のかたちを浮かびあがらせる試みを行います。

02 : Virtual Effect 会期=2011年 11月5日(土)- 12月4日(日)
参加アーティスト:mamoru、遠藤一郎、JAPPY キュレーション:美秀(MEI XIU)
「メディア(メディウム)」は、近代以前にはどんな意味を持っていたのでしょうか。古代においてはシャーマンや巫女のことも神様の”乗り物”としてメディアと呼ばれていたと言います。本展では日常の中の実践を表現手段にする現代のアーティストたちを、目に見えない何かと人々を繋いでじわじわと影響を及ぼす「現代のメディア」として紹介します。

03 : Local Mapping 会期=2011年 12月6日(土)- 12月25日(日)
インターネットの発達に伴い、誰もが日常的に情報を発信することができる現在、個人サイトやブログは従来のマスメディアと並列な立場にあります。発信者とメディアがごく近い距離で存在し、時に発信者とメディアがイコールで繋がれ得るこの状況は、古代における神と人間の関係とは異なりますが、人間個人がメディアとなる時代に回帰したと言えます。一人の人間から発信される物語は極めて個人的でささやかな日常ですが、そのささやかな魅力には人の心や社会を動かすきっかけを生む可能性があるので はないでしょうか。本展ではAntenna Media周辺の人々の生活をたずね、現代の日常にある小さな物語を紡ぎ出します。

※全文提供: Antenna Media


会期: 2011年10月22日(土)-2011年12月25日(日)
会場: Antenna Media space#2

最終更新 2011年 10月 22日
 

関連情報


| EN |