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FAMILY AFFAIR
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 11日

画像提供:XYZ collective

「個人は、社会などある共同体やコミュニティーと関わることでこそ、個を確立することができる」もし、本当にそうであったなら、個が帰属する社会やコミュニティーが、機能しなくなったとき、個は確立できない。さらに言えば、消失していくのだろう。個が消失する。とここまで書いて、僕はこう思いました。

「そんなわけねーだろ」と。

何故ならならば、僕たちの生活は、まさにその共同体の機能しなくなった現実の上にあるからです。しかし、機能する共同体があろうとなかろうと、生きていかなければなりません。そして、人は生きる為には何か信じる必要があります。些細なものだったとしても。 この展覧会では、前述した、共同体あるいは共同性をテーマにしています。家族は人間にとって最初に関係をもつコミュニティーであり、共同体の形の基本形です。そして家族が「家族である」という、ただ、そのことだけで生まれる、連帯性や共同性。それは理屈抜きで機能する謎のエンジンのようなものに感じます。どの規模の共同体をfamilyというのかは、人それぞれです。ある人にとっては民族であり、国であり、地域であり、家族であり、友人であり、恋人であるかもしれません。或いはSNSなどを使ったインターネットによるものでしょう。

そのとき、ある共同体に帰属できるか否かの掛け金になっているのは、憎も、含めた愛だとおもいます。

※タイトルの「Family Affair」はスライ&ザ・ファミリーストーンの曲名(1971年発売)から引用しました。 この曲が発表される少し前には、公民権運動の達成と敗北(結局は権力に絡め取られる)やネーション・オヴ・イスラーム、ブラック・パンサーなどの過激化が起こりました。ここで使われている「Family Affair」のFamilyは、想像するに黒人と黒人社会のメタファーだと僕は解釈しています。この時期のSLY自身、麻薬中毒も手伝い、バンド自体、空中分解しており、そんな中、一人オーヴァーダブを重ね作られた名曲であり、その経緯も興味深く、感慨を感じます。

参加予定アーティスト:
新井宏輔、有馬かおる、福永大介、原田賢幸、井出賢嗣、中崎透、松原壮志朗、梅津庸一
キュレーター:松原壮志朗
企画:XYZ collective
協力:ARATANIURANO   MISAKO&ROSEN  TOMIO KOYAMA GALLERY

全文提供:XYZ collective


会期: 2011年10月8日(土)~2011年10月23日(日)
会場: XYZ collective
時間: 13:00〜20:00 休廊日:月火水

最終更新 2011年 10月 08日
 

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