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訃報:リチャード・ハミルトンさん死去、89歳
ニュース
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 10月 04日

2011年9月13日、ポップアートの先駆者として知られるリチャード・ハミルトンが、ロンドン近郊のオックスフォードシャーの自宅にて死去した。89歳。死因は公表されていない。

ハミルトンは、1922年ロンドン生まれ。ロンドン王立美術学院(中退)経て、第二次世界大戦中は製図技師として働く。戦後、ロンドン大学スレード校美術学部で絵画を学ぶ。1956年にホワイトチャペルアートギャラリーにて開催されたグループ展『This is Tomorrow』展でコラージュ作品《Just what is it that makes todayʼ s homes so different, so appealing? (いったい何が今日の家庭をこれほど変え、また魅力的なものにしているのか)》を発表。大衆消費文化を表現し、最初期のポップアート作品のひとつとして知られることになる。

1963年にはマルセル・デュシャンの《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》(通称、大ガラス)の複製を制作。1966年、テートギャラリーで行われた『デュシャン回顧展』を企画する。1968年にはポラロイド撮影による自画像のシリーズを開始し、同年発売されたビートルズの『ホワイト・アルバム』のジャケットデザインを手掛ける。

1970年、自身初の美術館での回顧展をテートギャラリーにて行い、1973年にもニューヨークのグッゲンハイム美術館にて回顧展を開催。1993年には第45回ヴェネツィア・ビエンナーレにイギリス代表として参加し、金獅子賞を受賞している。

日本では1974年に東京・西村画廊で行われた企画展『Pop Artists』展に参加し、以降同画廊で4度の個展を開催。2008年には第20回高松宮殿下記念世界文化賞の絵画部門を受賞している。

本年9月5日からは、ダブリンのヒュー・レーン・アートギャラリー(Dublin City Gallery The Hugh Lane)においてリタ・ドナーとの二人展『Civil Rights etc』が開催されている(2012年1月15日まで)。亡くなる直前まで2013年夏にロサンゼルス、フィラデルフィア、ロンドン、マドリッドへと巡回する回顧展に取り組んでいた。

最終更新 2011年 10月 04日
 

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