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青山悟:Glitter Pieces #1-22:連鎖/表裏
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 3月 24日

《Glitter Pieces #1》2008年 ポリエステルにメタリック糸と黒糸で刺繍 17.4x23.2cm、撮影:宮島径 (c)AOYAMA Satoru Courtesy Mizuma Art Gallery copyright(c) AOYAMA Satoru / Courtesy of Mizuma Art Gallery

1973年東京生まれの青山は、身の回りの風景やオブジェクトの像を古いアイリッシュ・ミシンで丹念に縫いこんでいくという刺繍作品で知られています。本展では、主に紙媒体から個人的興味に基づいて選んだイメージを黒糸とメタリック糸で刺繍した作品22点を展示致します。#1から14までは2008年にザイム(横浜)で開催の「THE ECHO」展に出品されましたが、今回展示方法を新たにし、また未発表の#15以降は意識的に選んだ切抜きの表面だけではなく、裏面にあるイメージをも刺繍しています。本来の色情報を破棄し、光る糸を使うことで浮かび上がった新作は、イメージが意図していたはずの意味を消失させ、またその表面は無機質なデジタルピクセルを思わせると同時に、手作業でしか得られない質感を生み出します。情報技術の発達により消費される大量のイメージ。テクノロジーがもたらす恩恵と、それと引き換えに人間が失っていくもの。産業革命が生んだ最古のテクノロジーの一つである工業用ミシンを用いて作家本人が丁寧に縫い上げた作品は、それ自体でイメージの意味を問い、また私達の現実の危うさを気づかせてくれるのかもしれません。

※全文提供: ミヅマアートギャラリー

最終更新 2009年 3月 11日
 

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