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操上和美:陽と骨Ⅱ
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 30日

《陽と骨Ⅱ》2011年 | Polaroid | paper size: 7.9 cm x 7.8 cm | unique |Copyright© Kazumi Kurigami | 画像提供:タカ・イシイギャラリー

最新作品集『陽と骨Ⅱ』の発刊に合わせ開催される、操上和美の個展。本展では、作品集収録ポラロイド作品8点と、同収録ポラロイド作品を180 x 180 cmに引き伸ばした大プリント2点を展示いたします。

「陽と骨」について
日常の中で、あるいは旅の途中で、シャッターを切る瞬間は音の感じがしない。
視ることに集中する意識の空白の中、ただシャッターの音だけが響く。
風が止み、ふと時が静止する瞬間、そこには死の影が訪れる。そんな直感で生理のおもむくままに視覚を世界に泳がせて狩り集めた記憶の断片。これらのイメージの集積を『陽と骨』というタイトルで、モノクロとカラー2冊の写真集に纏めたのが1984年。
1972年に発売されたポラロイドSX-70。薄いBOX型のこのカメラを使う時は、反射的反応というより、思考的な観察になる。正方形のフレームの中に立ち現れるイメージは、立体感とリアリティーが欠落した、どこか夢の記憶のような浮遊感があり、その表皮的な映像は、存在するすべてのものたちが等価値のイメージとして顕在化するのが魅力だ。
『陽と骨Ⅱ』は、SX-70で撮影したポラロイド写真を、スキャンしたデータよりインクジェットプリントしたものである。
-2011年8月 操上和美

1965年に写真家として独立して以来、46年にわたり広告写真・CMの第一線で活躍してきた操上は、これらの仕事とは別に、テーマを設けず自身が触発された対象物を撮影した作品集も発表して参りました(『陽と骨』1984年と『Diary』2005年)。撮影の際に大切なことは他人とは異なる生理・直感を持つこと。そしてその感覚に瞬時に反応することだと操上は語ります。被写体に感応・反射する感覚をより先鋭化するために撮影されたこれらの作品集は、操上の写真家としての美意識を凝縮したエッセンスと言えます。

『陽と骨Ⅱ』には、1972年から2011年まで、操上がポラロイドSX-70により撮りためた作品120点が収録されます。ポジフィルムには現れないポラロイド特有の非現実感により、構築的感覚を刺激された操上の、39年にわたる実験的作品群を是非この機会にご観覧ください。

全文提供: タカ・イシイギャラリー


会期: 2011年10月29日(土)~2011年11月19日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
オープニング・レセプション: 2011年10月29日(土)18:00~20:00

最終更新 2011年 10月 29日
 

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