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ジョン・ジャヨン
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 3月 17日

《Book #16》2008年 サイズ:1000 x 1000 mm、技法:oil on canvas copy right(c) Jeong Ja Young / Courtesy of NODA CONTEMPORARY

誰かの家に行くとその人の本棚にどんな本が並んでいるのかをよく見ることがある。そこにある本を通じてその人はどんなことが好きなのか、最近関心を持っていることは何なのかを少しでも予想することができる。このような他人に対する好奇心と本に対する愛着は周りの本棚を描くことに発展した。その本は誰かの手に入ることを願っているはずで、準備して待っているのだ。それが本の仕事で義務だ。

無数な人々の考えや感情がそのまま入っている本の空間に入って行けば、それらが事物ではない呼吸している一つの生命体であるような気がし、規則的に並んでいる本の姿を見ていると妙な緊張感を覚えたりもする。本棚という限られた空間で起きる静かで多様な感情を描いてゆく。

絵の中の画面のイメージは基本的に写真に基づいている。私の周辺の本棚とキョホ゛(韓国の大きい書店)のような書店のイメージをカメラに収めて来て絵を書く。

本の表紙に書かれた多数の画家たち-ピカソ,シャガール,マティースなど-は大抵の人が一度は聞いたことがある、そして美術史では巨匠と呼ばれている名前だ。

画面の中のような本の連続性が出版された印刷物という結果ではなく、画家の名前と本というものが出会い彼らの価値と書いた作品を想像しながら絵が時間性と歴史性を持つことを願う。そして絵の中に登場する本を見ている人のなかではもうその本を持っている人もいるはずで、自分の本が描かれた絵を眺める時間は新しい瞬間に移る。

このような感覚が絵の中で拡大された本と本棚というものに出会って生まれる巨大な世界こそ私が描き出したい空間だ。

正確なサイズも題目も分からない本の垂直な建築的緊張感と不確実で暗い空間が絵を見る人々に巨大な本棚に入っているような気分を持たせ、想像力を刺激し、周りの平凡な、隠れている空間に愛情を持つようになることを願う。
Jeong Ja Young
정자영

作家略歴
1995年 釜山芸術高等学校卒業
2000年 釜山女子大学美術学科西洋画専攻卒業(現新羅大)
2003年 德成女子大学院美術学科西洋画専攻卒業 個展
2009 個展(NODA CONTEMPORARY、名古屋)
2008 クァンフンプロジェクト企画展 Hiding in the space 展 (クァンフンギャラリー、ソウル)
2007 風景 展 (弘大ロヘ゛ルネの家,ソウル)
2003 個展(インサギャラリー,ソウル) グループ展
2008 In my library 展 (ギャラリー NOON, ソウル)
2008 芸術と実践 展 (セオギャラリー, ソウル)
2006 見えない風景 展 (テ゛コヤ展示場, ソウル)
2006 SEO + LOVE + MEMORY 展 (セオギャラリー, ソウル)
2005 ソウル青年美術祭ポートポリオ 2005 (ソウル市立美術館, ソウル)
2005 第一回 ソウル青年作家招待展 (ソウル市立美術館慶熙宮分間, ソウル)
2003 鉛筆ドローイング展 (アートスペース イオスギャラリー, ソウル)

※全文提供: 野田コンテンポラリー

最終更新 2009年 4月 03日
 

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