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C-LAB / Jeffrey Inaba:What Do Architecture Think Tanks Do?
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 28日

画像提供:RAD

レム・コールハースによって設立されたAMOのプリンシパルを務めたジェフリー・イナバは、現在コロンビア大学のシンクタンク「C-LAB(Columbia Laboratory for Architectural Broadcasting)」のディレクターとして、建築における新たなコミュニケーション形式の発展を目指した実験的リサーチ活動を行っています。またその他にも、UCLAやハーバード等の教育機関で教鞭をとりつつ、自身の建築事務所「INABA」を主宰し、公共的な重要性を持つ都市や建築に関わる諸問題へとリサーチを軸にしながら取り組んでいます。

この度UIA東京大会開催にあたり、建築家の槻橋修氏がコーディネートをつとめるセッション参加のためジェフリー氏が来日されます。来日あたり、これまでのC-LABの活動を紹介しつつ、建築リサーチに関する、ならびにそれが将来の計画にどのような寄与をなすのかに関する展覧会を日本で開催したいと考えています。当該領域で常に先進的な取り組みを行なってきてジェフリー氏の活動は、現在、建築や建築家の社会的な役割の模索が行なわれている日本において特に重要な意味を持つものと思われます。

今回主催者として関わる我々RADは、建築の名の下にどのような主体が何をなし得るのか、また社会が求める建築的な思考や実践へと関心を持ち、多様な活動を行なうリサーチプロジェクトです。主として建築に関する展覧会、レクチャー、シンポジウム、またインタビュープログラム等の企画を行なっています。約三年前よりイナバ氏が編集に関わる建築雑誌「Volume」をテキストとした読書会を実施していた関係で、今回槻橋氏より展覧会の開催をご提案いただきました。

展示意図
C-LABがスタートしたとき、建築に関わるシンクタンクはほとんど存在しておらず、故に何をなし得るか、何をなすべきかに関して可能性は広く開かれていました。今となっては熟慮された生産的なアジェンダを持つ多くのシンクタンクが存在しており、結果として多くの良質な事物がなされるようになっています。
そこで、いま問うべきことは、次に何が起こるべきか? ということです。建築に関わるシンクタンクが進むべき建設的な方向性は? 長く続く世界規模での経済危機は分野としての建築にどのような影響を与えてきて/これから与えることになるのか? そしてそのためにシンクタンクは何をなすべきか? 私たちはこうした問題に対して、VolumeやC-LABの取り組みへと言及しながらその方向性を示すことによって、答えを出していきたいと思います。
(ジェフリー・イナバ)

展示内容
・C-LABプロジェクトの回顧展
—「Volume」や他の出版物の紹介をパネルや映像などを交えて行う
—「INABA」で行ったいくつかのプロジェクト
—上記これまでのプロジェクトに加え、新たに手がける都市計画プロジェクトの紹介
※なお、同展覧会は、イナバ氏の取り組みがまとめて提示される最初の機会となります

ジェフリー・イナバ / Jeffrey Inaba
ジェフリー・イナバは、公共的な重要性を持つ都市や建築に関わる諸問題を研究するコロンビア大学GSAPPのシンクタンク「C-LAB」の創設者である。同研究所で生み出されたアイデアは、彼が特集の編集を担当する雑誌「Volume」や、近年の著作である「World of Giving」など多くの出版物を通じて発信されている。かつてはレム・コールハースと協同でハーバード都市プロジェクトのディレクターを務め、世界中の現代都市の発展を調査するリサーチプログラムを実施。また、自身の建築事務所「INABA」をスタートさせる前には、レム・コールハースによって設立されたリサーチ機関「AMO」のプリンシパルを務めた。コロンビア大学の教員であると同時に、UCLA、ハーバード、 SCI-Arcで教鞭をとっている。
C-lab http://c-lab.columbia.edu/
INABA http://www.inaba.us/+/INABA.html
Volume http://volumeproject.org/

※全文提供: RAD


会期: 2011年10月1日(土)〜2011年10月27日(木)※水 - 土のみ開館
時間: 13:30~19:00 (水、木、金), 11:00~18:00(土)
会場: 吉岡ライブラリー(東京都文京区湯島2-31-2 株式会社新建築社内)


最終更新 2011年 10月 01日
 

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