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アリソン・ショッツ:GEOMETRY OF LIGHT
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 26日

Geometory of Light, 2011 | cut plastic Fresnel lens sheets, silvered glass beads, stainless steel wire | 600X359X157 inches / 1523X912X400cm | 画像提供:エスパス ルイ・ヴィトン東京

アリソン・ショッツは、工業的な素材を使用する一方、鏡やステンレススチールなどを用いることにより、重力、空間、光など、目には見えなくても、物理の世界においては基本とされる要素を視覚化します。「宇宙は何から成るのかという質問は、彫刻やアートが何であるかということの基本であるように思えるのです」とショッツはコメントしています。

ショッツがはじめてエスパス ルイ・ヴィトン東京を訪れた際、その溢れんばかりの自然光に感銘を受け、本エキシビションの展示作品を制作しました。

GEOMETRY OF LIGHT (光の幾何学) 『Geometry of Light』は、4 点の立体作品、1 点のプリント作品、そしてアニメーションから構成される本エキシビションのタイトルであると同時に、メインとなる作品のタイトルでもあります。『Geometry of Light』は、主に光の構造とその2 面性についての作品です。光は粒子として、そして同時に波動として存在します。日常において、私たちは光をほぼ見えない物質として認識していますが、もし時が止まり、実際に光を見ることができるとしたら、私たちの目にはどう映るのでしょう? 遥か彼方からこちらに向かってくる光は、どのように見えるのでしょうか? ガラスコードに沿って、間隔を置いて並べられたレンズでは光は静止したように見え、集中・増幅しているように映ります。私たちの空間体験は、その光に対する知覚、そして自身の動きによってフィルターがかけられているため、『Geometry of Light』は、空間と認識についての作品と言えるでしょう。

ガラス張りの空間であるエスパス ルイ・ヴィトン東京を取り囲む東京の風景は、反復するパターンとして集束され、映し出されますが、その様子は1 つ1 つのレンズによって、微妙に変化して見えます。

そこには反復と、多量の形態があり、見る者が動き回るのに十分な環境を生み出しています。多量の反復があるのと同時に、そこには多くの不規則な要素も含まれています。1つ1つのレンズは手でカットされたもので、すべて異なるため、見る者の目には、作品全体が人間味のあるものとして映るのです。

その風景と焦点は、見る者が作品との空間で動くことで変化します。『Geometry of Light』は、鑑賞する時間が朝か、午後か、はたまた夕方かによって、まったく異なる様相を呈します。これは、レンズを通じて、光が角度の違いや色温度の違いによって屈折することで、さまざまな種類の光と遷り変わる天候が、作品をドラマティックに変化させるためです。 『Geometry of Light』は、ショッツのその他の大規模な立体作品と同様、見る者を包み込むような雰囲気を醸し出すことでしょう。

アリソン・ショッツについて
アリソン・ショッツは1964年に生まれ、ニューヨークのブルックリンを制作、活動の拠点としています。あらゆる素材を幅広く扱い、それらの境界線を曖昧にすることで知られる彫刻家です。彼女の作品は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館をはじめ、ワシントンDCのハーシュホーン博物館と彫刻の庭、サンフランシスコ近代美術館、ホイットニー美術館などアメリカを代表する美術館で展示され、ロンドン、ストックホルムなどの海外でも紹介されてきました。

全文提供: エスパス ルイ・ヴィトン東京


会期: 2011年9月10日(土)~2011年12月25日(日)12:00~20:00
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京(東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン 表参道ビル 7階)


最終更新 2011年 9月 10日
 

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