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Chim↑Pom:SURVIVAL DANCE
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 22日

画像提供:無人島プロダクション | Copyright© Chim↑Pom

2008年秋に起こった広島の「ピカッ」騒動、そして前回の「REAL TIMES」展に対する議論はそれぞれ社会に少なからず影響を与えることとなりました。そしてその際に受けた取材のあちらこちらで彼らと私たちはしばしば「Chim↑Pomは社会問題を扱っている」という取材側の言い方に出会いました。それは私たちにはとって、ときに不思議な感覚の響きをもちました。彼ら(メディア)のいう「社会問題」、その社会の中にChim↑Pomは存在していないかのような、彼らが社会の外側にいるような、そんな響きでした。

けれども、Chim↑Pomはいつも「自分たちがいるこの社会/世界」の真っただ中にいて、その中で当事者の問題としての「社会問題=自分たち問題」を扱ってきたのです。そんな彼らが今の「自分たち問題」と対峙する中で見出したのは、どんな逆境でもそこにまず真正面から向き合うこと、逆境にあわせて進化していくこと、明るく楽しく生きていくこと、そしてそれを実践し実行することでした。初個展「スーパー☆ラット」では渋谷に生息するネズミたちの強い生き方にシビれ(「SUPER RAT」2006年)、都内の名所ではカラスと戯れ(「BLACK OF DEATH」2007年)、インドネシアではゴミ山と格闘し(「Saya mau pergi ke TPA」2008年)、3.11以降は福島第一原発に真正面から対峙し(「REAL TIMES」2011年)、Chim↑Pomは街で、社会で、さまざまな人・動物・事象に向き合ってきました。

本展「 SURVIVAL DANCE」では「管理社会」「放射能汚染」「格差社会」「歴史的悲劇」など、そんな厳しい状況を明るく動的に生き抜く、まさにサバイバルダンスたる生き方を、写真・ 映像・ペインティング・立体・インスタレー ションといったさまざまな表現形態で披露します。また、12月に丸木美術館で開催される展覧会にて完成する作品も展示します。

彼らが今回みなさまにお見せするのは「現」ではなく「未来」です。 「もしこんな未来が起こったらどうやって生き残るか」という20世紀が SFで描いたような状況ではもはやありません。「実際に目の当たりに している現実をふまえ、どのような人生を生きていけるか」を考えざるをえないリアルで切実な状況になっています。だからこそ今回Chim↑Pomは、表現者として、駆除にも負けない「スーパーラット」的強さとたくましさを、そしてポジティブなサバイバル精神を、そして世界に対しての向き合い方を、新作をとおして提示します。シェルターやバトルなど、競争的発想が目立ったこれまでの「サバイバル精神」から、一歩外へ、現実へと踏み出した、彼らのこの先のビジョンを、どうぞご覧下さい。

“We and Chim↑Pom will continue into the future!”

※全文提供: 無人島プロダクション


会期: 2011年9月24日(土)〜2011年10月15日(土)
会場: 無人島プロダクション
オープニング・レセプション: 2011年9月24日(土)18:00~20:00

最終更新 2011年 9月 24日
 

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