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ショーン・ランダース:Sadness Racket
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 3月 10日

"Plankboy Hurt" (2009) Oil on linen, 182.9 x 213.4cm copy right(c) Sean Landers / Courtesy of Taka Ishii Gallery

「昔は順調だったけど、今は四苦八苦さ」
ショーン・ランダース “Sadness Racket” 2009より

ランダースは世界各国の美術館で行われた、数多くの個展・グループ展に参加してきました。最近の例としては、Kunstmuseum Luzern(ルツェルン、2008年)、Swiss Institute(ニューヨーク、2008年)、Contemporary Arts Museum, Houston(2007年)、Serpentine Gallery(ロンドン、2006年)、ICA Boston (2005年)、Kunsthalle Zurich (チューリッヒ、2004年)などが挙げられ、2010年にはContemporary Art Museum, St Louisにて1990年から1993年の間の作品に焦点をあてた個展が開催されます。自身の初の出版物であるSicは1995年に刊行され、2005年にはRegency Arts Pressにより初期のドローイング作品群をまとめたCartoonsが出版されました。 今回の個展は6つのペインティング作品により構成されます。これらの作品は2つのシリーズに分けることができ、そのいずれも作家がこれまで長きにわたり関心を持ってきた主題を扱っています。3つの作品は油彩で描かれた言葉やその痕跡でカンバスが覆われ、残りの作品は彼の原点とも言える漫画のようなキャラクター(猫の顔をした裸の女性、怪我をした木の男の子、模様のある雄鹿)で作品が構成されます。 タカ・イシイギャラリーでの前回の個展(2006年)で発表された作品の一部は、選択された色彩が総じて明るく、描かれる言葉と言葉の隙間や階層はそれほど詰まることもなく、ランダースらしからぬ楽観的な空気を少しばかり孕んでいましたが、今回の作品には1990年の初個展以来、彼の作品の特徴である、自虐的なユーモアや自己矛盾への回帰が見て取れます。 世界(現代美術)経済の減速の真っただ中にいるアーティストの一人、ショーン・ランダースの心のありようを映した今回の作品は、後退と変革の時代の不安をまるで糧としているかのようです。

※全文提供: タカ・イシイギャラリー

最終更新 2009年 3月 14日
 

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