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共創のかたち デジタルファブリケーション時代の創造力
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 18日

画像提供:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

今日のものづくりの環境における、デザイナー、アーティストの役割とは何か? 本展覧会は、「共創」をキーワードに、デジタルファブリケーションが提起する新たな問いと、その潜在性を探る試みである。

コンピュータやインターネットによるメディア技術が普及する現在、制作ツールの汎用化、コンピュータ支援制作技術(CAM, Computer Aided Manufacture)などの生産技術がユーザーの創作意欲を刺激し、ものづくりのプロセスを開くと同時に新たな市場を開拓しつつある。オープンソース化を背景とした設計情報の公開は、ネットワークコミュニティの中で従来にない製品を生み出し、ラピッドプロトタイピングにより、消費者は自ら試行錯誤して創造する喜びを得る。いわば、20 世紀に確立した生産と消費をめぐる環境が、技術革新によって大きく変わろうとしているのだ。

このような環境において、デザイナー、アーティストには、ツールや技術の可能性を批評的に検証する役割と、それらの可能性を多くの人々に伝え、創造力を底上げするインキュベーターとしての役割が求められている。

さらに、工学の立場からの研究は、従来のものづくり全般に大きな影響を与えつつあるものである。モダニズムという様式の下に大量生産される製品の美と機能性の関係性によって語られてきた「デザイン」は、もはや全てのユーザーが創造に携わることのできる、ネットワークと生産システムを総合するプラットフォームへとその意味を変えつつある。それにともない、デザイン、建築、工芸、アートを支える素材やプロセス、コミュニケーションの意味も、こうした環境の変化に応じて再定義される必要があるのではないだろうか。

本展覧会では、インターネットを介したオンラインカスタマイズサービス、ラピッドプロトタイピング(3D プリンタやレーザーカッターなどの試作用工作機械による制作)を応用した工芸作品、デザイン製品の展示、著作権をめぐる研究事例、オープンソース・デザインの事例などを紹介する。同時に、展覧会そのものを「共創」のためのプラットフォームと位置づけ、工学、デザイン、アートから「共創」の可能性を問う。

展示日程
10/1(土)〜10/9(日)@KCUA1,2,GalleryB,C
10/10(月祝)〜11/13(日)@KCUA1,2 ただし、10/20,11/2 は@KCUA2 展示替えのため休室
* @KCUA 2展示予定(展示替えのため休室日ありますのでご注意下さい)
10/1(土)〜9(日):circle side、高橋卓久真、矢津吉隆+大喜多智裕
10/10(月祝)〜10/19(水):circle side
10/21(金)〜11/1(火):高橋卓久真
11/3(木祝)〜13(日):矢津吉隆+大喜多智裕

・10/8(土)14:00-16:00
パネルディスカッション:「デジタルファブリケーションの未来像」

※出品者によるプレゼンテーションを踏まえ、本展テーマであるデジタルファブリケーションの可能性について語り ます。
五十嵐健夫/高橋卓久真/田中浩也/土岐謙次
ゲスト:渡邊眞(京都市立芸術大学総合芸術学科教授)
モデレーター:森山貴之(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 学芸員/本展企画)

・10/22(土)14:00-16:00
パネルディスカッション:「共創のかたちと表現の行方」

※メディア技術や制作ツールの進展は、芸術表現やその批評的思考にいかなる変化をもたらすのかについて考えます。
桃田稔也/矢津吉隆+大喜多智裕/ circle side
ゲスト:久保田晃弘(多摩美術大学情報デザイン学科教授)
渡邊淳司(NTT 科学基礎研究所人間情報研究部感覚情動研究グループ研究員)
モデレーター:伊村靖子(本展企画)

・10/8,15,22(土/ 14:00-16:00 予定)
ワークショップ:「アートとデザインと技術の共創の為のワークショップ」

※ Arduino などを使用して簡単なプログラムを学びつつ、参加者各自が「自分に必要な何か」を開発します。
講師:でんでんタウン電子工作教室、桃田稔也

全文提供: 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA


会期: 2011年10月1日(土)~2011年11月13日(日)
会場: 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

最終更新 2011年 10月 01日
 

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