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JALAPAGOS(ジャラパゴス)展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 16日

会田誠+加藤愛《愛ちゃん盆栽(松)》撮影:宮島径 Copyright© AIDA Makoto・KATO Ai | Courtesy Mizuma Art Gallery

三菱地所アルティアムでは、様々な形での日本文化継承を共通項に、多彩な作品をご紹介する「JALAPAGOS(ジャラパゴス)展」を開催致します。アジアの玄関口として日本文化の発信地の役割を期待される九州・福岡から、心の奥底へと響く不思議な魅力を携えた“ジャラパゴス”な作品たちをお届けします。

産業界ではガラパゴス化と呼ばれる“残念なニッポン”を象徴する現象が起きています。技術やサービスなどが日本市場で独自の進化を遂げて“世界標準”からかけ離れてしまう現象です。技術的には世界の最先端をいきながら諸外国ではまったく普及してない日本の携帯電話。日本独特の要求にもとづいた独自の進化を遂げている間に、世界では別のニーズで世界仕様が決まり乗り遅れてしまいました。しかしながら携帯電話で使用している絵文字などは江戸時代の判じ文をルーツに作成された日本の独創性であり貴重な表現方法です。

一方日本の現代アートは世界的な潮流である欧米の現代アートとは異質な美をまとい90年代から登場してきました。これはこの国際化時代にもドメスティックな美意識と価値体系を一部に温存し続けてきた日本人の国民性からきています。このように独特の美学、美的センスを日本人が持ち続けた結果、このこだわりが逆に幸いして、“世界標準”(技術の世界と違って明確な基準があるわけではないが)と言うものさしでは計る事の出来ない、独自の超感度の美的世界を日本の現代アートは創造しました。

漫画、アニメ、浮世絵に影響を受けたスーパーフラット的アート、縄文時代から江戸期の鎖国時代までに発酵されたBASARA美学など、フラジャイルに変態し続けるJAPAN ARTを総称して、“ジャラパゴス”(JALAPAGOS)と名づけました(JAPANとGALAPAGOSを合わせた造語)。

この度ジャラパゴス展の趣旨に賛同を戴き、福岡三菱地所アルティアムで展覧会を開催できることになりました。16名、39作品が展示されます。

311の東日本大震災と福島原発事故は、日本の経済や日本人の心情に暗い陰を落としております。日本が長年培ってきた食の安全神話や先端科学技術の世界的な優位性も揺らいでいます。

今変わることなく日本が世界に誇るべきものの中には、独自の文化力があります。その一翼を担う現代美術は光り輝いています。21世紀は知力の時代と言われています。  本展に出品された作家たちのすばらしい世界に触れ、日本の現代美術の魅力を再認識していただければ幸いです。

参加作家
会田誠 あいだ まこと
1965年新潟県生まれ。東京藝大大学院修了。絵画、写真、立体、小説、漫画、都市計画など多岐に渡る分野でセンセーショナルな作品を発表。

池田学 いけだ まなぶ
1973年佐賀県生まれ。東京藝大大学院修了。紙と丸ペンを使い、文明と自然の融合した物語を豊かな想像力と技術で描く。

岡本瑛里 おかもと えり
1987年千葉県生まれ。東京藝大大学院に在籍中の若手作家。山犬、人間、様々な動植物を混在させ、自然との共生を独創的に描く。

加藤愛 かとう あい
1984年東京都生まれ。作品に登場する二次元美少女は自らの愛を代弁し表現する究極のモチーフとして描かれる。また、独自のコピーがユーモアのある世界感を作り出す。

加藤泉 かとう いずみ
1969年島根県生まれ。武蔵野美術大学卒業。胎児とも昆虫ともつかない原初の生命体のような生き物を絵画・立体などで描く。

鴻池朋子 こうのいけ ともこ
1960年秋田県生まれ。東京藝大卒業。玩具、雑貨のデザインに長年携わったのち、狼や少女などをを モチーフに、物語性を含んだ絵画・立体を発表。

近藤聡乃 こんどう あきの
1980年千葉県生まれ。多摩美術大学卒業。少女をモチーフにした作品をアニメーショ ン、マンガ、絵画などで表現。

指江昌克 さしえ まさかつ
1974年石川県生まれ。金沢美術工芸大学大学院修了。金沢で制作を続け、現代都市を遠景に近代の街並が浮かび上がった球体や塔などを描く。

田名網敬一 たなあみ けいいち
1936年東京都生まれ。アニメーションや絵画、イラストレーションなどで前衛的で遊びに満ちた創作活動を行う。

チームラボ (代表:猪子寿之)
エンジニア、デザイナー、建築家、CGアニメーター、数学者などの様々なスペシャリストから構成された、ウルトラテクノロジスト集団。

天明屋尚 てんみょうや ひさし
1966年東京都生まれ。日本画と現代風俗を絶妙に取り入れた“ネオ日本画”で反骨精神溢れる美の系譜BASARA美学を提唱する。

町田久美 まちだ くみ
1970年群馬県出身。多摩美術大学卒業。日本画独特の緊張感を携え、主観や感情を排除した研ぎ澄まされた絵画を生み出す。

松蔭浩之 まつかげ ひろゆき
1965年福岡県生まれ。大阪芸術大学卒業。写真をはじめパフォーマンス、グラフィックデザイン、空間デザイン、ライターなど活動は多岐に渡る。

宮崎勇次郎 みやざき ゆうじろう
1977年大分生まれ。東京造形大学卒業。銭湯の背景師に指事した経験から生まれる空や樹木などの自然、それに対する人間のあり方を問う作品を描く。

山口晃 やまぐち あきら
1969年東京都生まれ。群馬県桐生市に育つ。東京藝大大学院修了。合戦図や鳥瞰図等をモチーフに時空の混在した世界をユーモアとシニカルさを織り交ぜて描く。

山本竜基 やまもと りゅうき
1976年三重県生まれ。東京造形大学卒業。物語や動き、キャラクターを凝縮した1コマの絵として、自分自身を細密な描写で描き続ける。

※全文提供: 三菱地所アルティアム


会期: 2011年10月8日(土)~2011年11月27日(日)
会場: 三菱地所アルティアム

最終更新 2011年 10月 08日
 

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