TAMA VIVANT II 2011 「ただいま検索中」 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 9月 14日 |
TAMA VIVANTⅡ展は、多摩美術大学美術学部芸術学科、海老塚耕一ゼミのカリキュラムの一環として、学生が中心となって企画・構成・運営する現代の美術・芸術のアニュアル展です。展覧会を通して現代の美術・芸術の在り方を積極的にお伝えするとともに、制度や偏見にとらわれない新鮮な眼差しで、日々の創作活動ならびに研究活動を刺激、活性化することに努めています。 本年度、2011年TAMA VIVANTは、第28回目を迎えます。 現代社会では、私たちの身の回りのあらゆる「もの」を分かりたい、理解したいという欲求はどんどんと膨れ上がり、ついにはものごとの多くの「もの」を単純化し、分かりやすい「もの」へと変えてしまいました。その結果思考は停止し、私たちはものごとを一義的に、そして表面的に解釈することにすっかり慣れてしまいました。そこには深い思索は存在せず、機械のように情報をただ享受するという「作業」のみが存在していると言えます。この「作業」を当たり前に行い続けた私たちは、自らが考えることを止めてしまったことに気づくこともなく、ただただ情報を受け取ることのみに重点を置いて生活をしています。この現状は私たち人間にとって、危機的状況と言っても過言ではないでしょう。本展覧会では、そういった現代のおかれている状況に警鐘をならすとともに、「もの」との新たな接点を探る機会となることを願っています。 私たちは、「もの」の印象にとらわれがちです。一つひとつの作品と対峙する時、一歩近づき、じっくりものを見ることによって、自らが探求することにより発見できる多くの情報が隠されていることに気づきます。発見は、「もの」との自由な距離の取り方によって生まれます。それは、何かを思考する最中に生まれた新鮮なひらめきに似ているのかもしれません。 作品を繋げて見つめていく行為から、見つめる「もの」を繋ぎ合せる行為へと変化し、それにより、「もの」の思ってもみなかった可能性を見ることが可能となります。私たちはそんな過程のなかで自由な思考の海を泳ぎ、「もの」との関わりを深めていくのでしょう。 私たちを取り巻く社会情勢が激変していくなかで、私たちは「もの」へ歩み寄り、時に突き放し、新たな形で「もの」とともに生きる必要があります。本展覧会が、そうした「もの」との距離を自由にとれる感覚を、再生するひとつのきっかけになれば良いと思っています。 ※全文提供: TAMA VIVANT II 2011企画室 【会期】 【会場】 全て入場無料 |
最終更新 2011年 9月 21日 |