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ケント・ヘンリクセン:Fear Eats the Soul
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 2月 27日

copy right(c) KENT HENRICKSEN / Courtesy of hiromiyoshii

hiromiyoshiiでは2回目の個展となるケント・ヘンリクセンの作品世界は、タペストリーや装飾的な布地を背景に用いて、民話や宗教を土台とした倒錯的な物語を展開させます。 19世紀の子供向けの本の挿絵など、牧歌的で子供じみたイメージを多用しつつ、そこに装束で全身を覆った人物のような暗い要素を紛れ込ませることにより、何かが起こりそうな不吉な兆しを見せ始めます。ブランコに乗ったり、友達とふざけあったりしている楽しげな行為は、欲望に突き動かされ繰り返される道楽と化し、罪や悪など、人間や社会の根源を明らかにする物語を浮かび上がらせます。登場するイメージの一部に施された刺繍は、原始的、儀式的かつ神話的な物語性を創り出し、欲望にまみれる倒錯を際立たせています。 今回の展覧会では、金箔に骸骨などのモチーフを刺繍し、死や墓場をイメージさせる新作を発表します。展覧会のタイトルである「Fear Eats the Soul」には、不安に揺らぐ社会の中で、世界の終焉を前にするかのような私たちの心情が表わされています。

KENT HENRICKSEN
1974年アメリカ・コネチカット州生まれ。ニューヨーク在住。

個展
2008 "Absence of Myth"ガレリア・グランス、トリノ、イタリア
2007 "Divine Deviltries"ジョン・コネリー・プレゼンツ、ニューヨーク、"Gales and Gasps", Atle Gerhardsen, ベルリン
2006 "Woodland Wonders"ガレリア・グランス、トリノ、イタリア、"Patterns of Indulgence"ヒロミヨシイ、東京、"Patterns of Behavior" Mario Diacono at Ars Libri、ボストン
2005 "Timeless Pleasures" Atle Gerhardsen、ベルリン、"A Season of Delight" ジョン・コネリー・プレゼンツ、ニューヨーク
2004 "Country Epics" イン・ザ・キッチン・アート・スペース、ニューヨーク
主なグループ展
2008 "Things that go bump in the night" カフェ ギャラリー・プロジェクツ、ロンドン
2007 "Pricked: Extreme Embroidery" ミュージアム・オブ・アート・アンド・デザイン、ニューヨーク、"IDENTIFY - ear yourself"アマティーニ・アルテ・インターナショナル、トリノ、"What’s Your Hobby"ファイアープレイス・プロジェクツ、イースト・ハンプトン、"Gender and Stitchery, Arists sew/knit Art"チャールストン・カレッジ・アート ギャラリー、ノースフィールド キュレーション
2004 "Incantations"、メトロ・ピクチャーズ、ニューヨーク

※全文提供: hiromiyoshii

最終更新 2009年 3月 14日
 

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