横尾和宏 展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 8月 22日 |
顔も描かれていないその人の穏やかなオーラに包まれていくような気がしました。気配を描く人―横尾和宏さんの「背中」を初めて目にしたときの印象です。 目に見えるのは体温と鼓動をわずかに感じさせる背中とかすかな光の明暗による背景のみです。断片的に切り取られた人体はどこの誰にでも置き換えることができるので記憶の中にいる人々とのあたたかい思い出へとつながります。 さらに、じっくり鑑賞したいのは、人体から発して背景に溶け込み作品全体を包み込んでいる「気配」です。その「気配」に感覚を集中させていると作品の持つ静寂が心の中に流れてきます。深呼吸をしてみたくなります。 色調も色数も極力抑えられているのにその残像は鮮明です。静かさの中に秘められた激しさを見つけてしまったのかもしれません。 心静かに向き合ってみたい横尾和宏さんの世界です。ご来廊を心よりお待ちしております。 全文提供: ギャラリー風 会期: 2011年8月23日(火)-2011年8月31日(水) |
最終更新 2011年 8月 23日 |