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サラ・ルーカス:Self Portraits 1990 - 1998
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 2月 17日

《Self Portraits 1990 - 1998》1999年 copy right(c) Sarah Lucas / Courtesy of Tomio Koyama Gallery

大衆紙のポルノ記事をコラージュした作品や、ありふれた食べ物や家具を功名に配置して卑猥な連想をほのめかす彫刻的なオブジェを制作。特に初期の写真作品である"Eating Banana"は男性的強さの象徴を明確に提示するものとして、彼女自身の1990年代における制作活動に大きく影響を与えました。1992年のインスタレーション作品"Two Fried Eggs and a Kebab"で、テーブルに目玉焼き2個を乗せ女性の胸部を連想させ、1996年の"Self Portrait with Fried Eggs”では彼女自身の胸部に目玉焼きを載せています。地べたに足を広げて座った彼女の足の間に頭蓋骨が置かれている1997年の作品"Self Portrait with Skull"では性と死を同等に扱い、自身消失への恐怖を要約しています。このように、彼女の作品では男根崇拝と言える表現を行いながらも、女性という題材に彼女自身を駆り立てる喜びと自滅が垣間見ることができ、フェミニズムやジェンダー論の枠組みを大胆不適に超越し、常に世界のアートシーンに刺激を与えてきました。

【この展覧会について】
本展では彼女の代表作とも言える、セルフ・ポートレイト12点を展示いたします。これらの作品は、テートモダンのコレクションとしても収蔵されています。この機会に是非、御高覧ください。

【作家プロフィール】
1962年ロンドン生まれ。1982年から1983年ロンドン・ワーキングメンズ・カレッジ、1983年から1984年ロンドン版画カレッジ、1984年から1987年ゴールドスミスカレッジで学ぶ。1988年にはダミアン・ハースト企画主催の「フリーズ」展に参加し 1990年代に英国美術界を圧巻したヤング・ブリティッシュ・アーティストの一人。ロンドンのWhite Cube、ロッテルダムのBoymans-van Beuningen、フランクフルトのPortikus Frankfurt am Main、ケルンのThe Ludwig Museum等の美術館で個展を行い、近年ではチューリッヒのKunsthalle Zurich, ハンブルグの Kunstverein am Hamburg, リバプールのTate Liverpool, ロンドンのFreud Museum等でも展覧会を開催。 サラ・ルーカスの作品は過去10年の主要イギリス人作家として、Walker Art Center, Saatchi Collection, Tate Britain等に収蔵されています。また2003年には第50回ヴェニスビエンナーレにも参加。現在もロンドンで活動しており、世界各国にて展覧会を行っております。

※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2009年 2月 20日
 

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