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塚田守 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 2月 17日

copyright(c) Mamoru TSUKADA / Courtesy of Tomio Koyama Gallery

感覚や聴覚などを駆使し、盲目の人々とコミュニケーションをとることから、塚田守は写真制作を始めました。視覚が無いということは、日常の全てをイメージして生きていくこと、またそれゆえにそのイメージは日常から逸脱できるということです。塚田はそこから、自身の写真のイメージの可能性を追求していきます。視覚的日常から逸脱するイメージ、つまり、それらは視覚的であるよりも、精神的で無意識を喚起していく作品です。 2003年のシリーズ『Identical Twins』では、戦争をコミュニケーションの一つとして捉え、作品の背後に多くの言葉を予感させながら、写真と人間の起こす「ずれ」によって鑑賞者の無意識を喚起します。2006年のシリーズ『Specter』では仮面をカメラのレンズにかぶせるという滑稽かつ物理的な制作方法を使用。彼はそこで、写真と被写体から「ずれ」を生み出し、反射から起こる視覚的現実からの逸脱と、視神経的存在による無意識へ更に挑戦していきます。

【この展覧会について】
本店では初期の作品から2007年東京ワンダーサイトで展示された『Cave Painting』、2008年の新作まで一挙に展示されます。この機会に是非、塚田 守の世界感をお楽しみください。

【作家プロフィール】
塚田 守は1962年長野県生まれ。小山登美夫ギャラリーでは、03年『感性的表象を超えた彼方を望見せざるを得ない』、06年『妖怪』に続いて3度目の個展となります。
その他の主な展覧会に『見ることと人』(01年、ギャラリーラ・カメラ/日本外国特派員協会)『サイト・グラフィックス』(05年、川崎市市民ミュージアム、神奈川)、『ゾーン---ポエティック・モメント』(05年、トーキョーワンダーサイト本郷、東京)、『風景』(07年、ラックスギャラリー、ニューヨーク)、『ポートレート・セッション』(07年、広島市現代美術館/ナディッフ、東京)、『Shop & Think シリーズ Vol.2 アート&エコロジー エコゾフィーの実践I』(08年、Eye Of Gyre、東京)、『Mediations Biennale』(08年、The National Museum in Poznan、ポーランド)などがあります。

※全文提供: 小山登美夫ギャラリー京都

最終更新 2009年 2月 20日
 

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