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ビル・ヴィオラ:Transformations
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 8月 14日

Bill Viola | Isolde's Ascension (The Shape of Light in the Space After Death), 2005 | Photo: Kira Perov | Copyright©Bill Viola / Courtesy of Gallery Koyanagi and James Cohan Gallery

ビデオ・アートの第一人者として映像芸術を牽引し、35年以上にわたり、ビデオの可能性を追求し続け、つねに世界の注目を集めるビル・ヴィオラが、この度、第23回高松宮殿下記念世界文化賞絵画部門を受賞いたしました。

ギャラリー小柳では、この受賞を祝し、9月6日より10月20日までの会期で、Bill Viola: Transformations 展を開催いたします。

ビル・ヴィオラは、ニューヨークに生まれ、シラキュース大学美術学部で映像や電子音楽を学びました。同時に学内にスタジオを設置し、作品制作を開始。ビデオ・アートの創始者、ナム・ジュン・パイクらのアシスタントを務め、1972年に最初の作品をグループ展に出品しました。

水や火、光など根源的な要素を作品にふんだんに使用し、生命の誕生や死、再生、信仰といった宗教的、哲学的なモチーフを主題とします。その原点には、幼少時に湖に落ちて溺れかけ、水と光の美しく不思議な光景を目にした経験があり、「生と死」への関心を深めるきっかけとなったといいます。

1991年、母親の死後に制作した作品では、自身の心象風景を表現し、大きな転機となりました。翌年からは死や無常の命をテーマとした一連の作品に取り組みました。

また、日本との縁も深く、1980年から一年半、ソニーの厚木研究所に招かれ、共同制作者でもある妻のキラ・ペロフと共に日本に滞在しました。先端テクノロジーと、禅や能など日本の伝統的な思想、文化への造詣を深め、それが創作に大きな影響を与えたといわれます。滞在中には、東北の霊場・恐山や東京・築地など日本の心象風景を捉えた《はつゆめ》を制作。その作品をはじめとする長年の活動を系統的に紹介したアジア初の大回顧展「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」が、 2006—07年にかけて、森美術館と兵庫県立美術館にて開催されました。

今回のギャラリー小柳での展覧会では、2001年から2008年までに制作された7点をご紹介いたします。幻想的な映像と、舞台芸術を思わせるドラマティックな展示。その一方で、「生と死、喜びと哀しみはつながっている。」と云うヴィオラの言葉のとおり、作品を通底する生と死、再生、人間の感情といった根源的なテーマを感じとることができるでしょう。

全文提供: ギャラリー小柳


会期: 2011年9月6日(火)-2011年10月20日(木)
会場: ギャラリー小柳
クロージング・パーティー: 2011年10月20日(木)18:00 - 20:000

最終更新 2011年 9月 06日
 

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