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花澤武夫:between places
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 2月 12日

Courtesy of GALLERY SIDE2 copy right(c) Takeo HANAZAWA

花澤武夫(1977年千葉生まれ)のGALLERY SIDE2にて2度目の個展となります。昨年の初個展より、ミラノ、アムステルダムで個展。歴史や文学への解釈と、自分を媒体として、尊敬すべき過去の事実や人物をとりあげた作品のモチーフは、見ることによって知識を広げ、好奇心を刺激するものとなっています。

古今東西を混在させながら新たな表現を追求する花澤武夫。モチーフは尊敬する歴史上あるいは現代の人物と関わりのある事柄を用いています。

今回の展覧会では絵画と彫刻を双方展示予定です。絵画作品は、ルドヴィッヒ2世が南国の植物を輸入した自分の庭園の背景にヒマラヤを入れるように命じたペィンティングをもとにした、”ウィンター・ガーデン”。花澤の描くこの作品では狩野芳崖の琵琶湖を見る「暁霧山水」のアイディアを用いています。狩野芳崖もまた、日本美術界では、古典的な主題を西洋の遠近法やのあり方、色などの冒険をしたことで知られていますが、同時期に生きた、神秘的なドイツの王のエキセントリックな情熱と、日本画家の挑戦が、現代の絵の中で共存します。

また小品ではポートレートを発表します。過去に描かれて来た、鉄拐仙人と蝦蟇仙人といった仙人たちが、現代人の様相で登場。17世紀に中国から日本に輸入されて来たこの仙人のアイディアは、親しみのある主題であり、たくさんの日本の画家に好まれて来ました。作品ではファンクの帝王ブッツィー・コリンズが鉄拐仙人に、都会の前衛詩人ジル・スコット・ヘロンが蝦蟇仙人とされています。彫刻作品は道化師の持つ棒、”ボーブル”を制作。魔術的で、不気味でありながら、人々にユーモアという通気口を与える象徴のオブジェクトを具現化します。 様々な文化が交差する奥行きのあるインスタレーションをお楽しみください。

※全文提供: GALLERY SIDE2

最終更新 2009年 1月 31日
 

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