所沢ビエンナーレ「引込線」2011 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 7月 19日 |
本展は、作家主導による手作りの展覧会として2008 年にスタートしました。今回文化庁主催事業となり組織は変わりましたが、その目的である「作家、批評家、観者による交通の〈場〉を形成し、次世代が育つ現場であること」は変わりません。20代から60代の作家30名と20名の執筆者が参加し、この重苦しい時代の空気と立ち向かう事になります。 今回は、会場が変わり表記の二会場となります。又、作家の選考方法が実行委員会の合議制から、四人の作家(伊藤誠,海老塚耕一、遠藤利克、岡崎乾二郎)それぞれの責任選考となりました。これによってより明確な視点が露になることでしょう。もちろんこの四つの視点が時代を代表するものではありませんし、各人向かう方向も異なっています。しかし、この選考方法により出品される作品群において形成される座標軸は、一つのモデルとして機能すると考えます。 3月11日以降、時代感覚や世代の感性という括りでとらえられ内向化・差別化してきた表現や批評は移動を余儀なくされるでしょう。美術は単に精神分析の対象ではありません。メデュウムの歴史性、神話性との格闘であり新たな構築への探求です。 人、物、記憶、固定化した場というプレートも移動し、多くの人々があの世へと移動させられました。この事態は、根源性や普遍性を唱えた者達や絵画、彫刻の自明性を信じる者達にも新たな関係性の構築を強いるでしょう。神聖な〈場〉は、視線の凝集した結晶個体=作品が〈ここ〉と示す役割を負っていますが、結晶個体は安定したものではありません。融解したのか流失したのか、今、行方不明になっています。その断片でも本展に於いて発見できればと考えます。(文責/戸谷成雄) 公式ウェブサイト: http://tokorozawa-biennial.com 【参加作家】 <執筆者>:荒川徹、石崎尚、石川卓磨、井上幸治、岡崎乾二郎、沢山遼、高嶋晋一、谷新、中井悠、中林和雄、中村英樹、成相肇、西村智弘、早見堯、平井亮一、前嵩西一馬、松浦寿夫、松本透、峯村敏明、森啓輔 以上20 名 全文提供: 所沢ビエンナーレ実行委員会 会期: 2011年8月27日(土)-2011年9月18日(日)10:00 - 17:00 |
最終更新 2011年 8月 27日 |