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石居麻耶:東京少年少女
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 1月 26日

copy right(c) Maya ISHII / Courtesy of YOKOI FINE ART

石居麻耶は「日々、心に残りゆくもの」をテーマに、日常のささいな光景を一場面ごと拾いとり、イメージを膨らませて描きます。本展では、昨年8月に行われた「石居麻耶 paper works」からおよそ1年ぶりとなる、ペン、色鉛筆などで描かれた紙の作品のみ40余点で構成された展覧会となります。 自らの中に沸き上がるイメージを板の上にペンとアクリル絵の具で表現した作品を中心に制作活動を行っている石居。2007年11月に渋谷Bunkamura で開催された個展「見果てぬ夢-One day, one life, one more dream」が記憶に新しいかと思います。一方で、万城目学の小説「鹿男あをによし」「鴨川ホルモー」の表紙画をはじめ、本の挿画やイラストも多数手がけています。挿絵として紙に描いた作品も石居の繊細な感性と精緻な筆致が見る者に感動を与えます。今展では石居がイラストを担当し、現在も東京新聞に連載中の記事「子どもと大人のあいだ」/青木信人(2007年10月から2009年3月 毎週火曜日掲載 *第一火曜日は休み)の原画を初公開いたします。 「わからない明日に何かを見定めようと言葉にならない思いを探す10代の少年少女のかけらを描こうと思いました。言葉にならない、けれども、風のように目の前に現れる10代の少年少女の光景は、私の日頃のテーマでもある『日々、心に残りゆくもの』の一部として確実に存在している光景です。」 保護観察官である青木信人氏の記事は、現代の若者の抱える問題に正面から向き合い、我々にその問題を提起しています。その記事に寄り添うように石居のイラストが添えられ、読むものの心情に訴えかけます。時に出口の見えない絶望感に打ちひしがれ、不安や弱さを恥じ、心の奥で愛や希望に救いを求めている若者たち。石居のイラストは大人が久しく忘れていた感情を呼び起こす役割を担っているかのようです。
※全文提供: YOKOI FINE ART

最終更新 2009年 2月 21日
 

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