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藤田道子:きみのこえにみみをすます
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 7月 11日

画像提供:ギャラリー惺SATORU
Copyright© Michiko Fujita

身近に起こる自然現象やそこから受ける感覚を表現してきた藤田道子。ガラスにドローイングした作品“slow voice”では声が内側に染み入り浸透して消えてゆく瞬間を表現しています。“悲しくなんてなくっても”のドローイングでは、音が集まってくる様や、感情とは関係なく涙する様を表現しています。“ウィンクに寄せて”では音が集まる様を立体的に表しました。“like a speaker”(インスタレーション)は音が出てくる、それをキャッチする、そのやりとりを表現しています。声のもつ力とそれを受け取る側の力、その二つの関係性の面白さを思いながら制作したと言います。今回は“耳を澄ます”ことをテーマにしたこれらの作品を展示致します。

素材自体の美しさを最大限に活かした作品は一見さりげなさが際立ちますが、時間をおいてみると、静かに主張してくる不思議な存在感があります。また作品をどう置くか、配置するかという問題は藤田作品において重要な意味を持ちます。わずかに壁から離して留めたり、吊るしたり、立体の側面に配置したり、床に置いたりすることで、作品を自立させ、豊かな表情を持った存在としてそこに在るかのように配置します。本展のメインイメージとも言える“I listen to your voice”は耳を澄ましている表情がモチーフになっており、内なる声をキャッチする意味も込められています。この作品はガラスにシルクスクリーンの作品のほか、ポスター、Tシャツも展示販売致します。ぜひこの機会に藤田道子の繊細で豊かな感性を持った作品をご高覧下さい。

作家コメント
きみのこえにみみをすます

ある日の出来事でした
沢山の声が重なり 誰の言葉も
交じり合ってわからないような場所で
私はひとつの声を見つけました
ふいに飛び込んできた美しい声
その声は思慮深く聡明で 透き通っていました
今までで一番好きな声のように思いました
私は目を閉じ耳を澄まします
声は私の内側に染み入り
世界にささやかな喜びが広がりました
-2011.6.7 藤田道子

藤田道子
1980 生まれ
2003 東京造形大学美術学部絵画科版画コース 卒業
2005 東京造形大学美術学部絵画科版画コース 研究生修了

Solo Exhibitions
2002 瞬きのリズム 東京造形大学内 ギャラリーnode
2003 藤田道子展 ギャラリーエス 
2006 右から光り ギャラリーエス 
2009 虹になる Gallery惺SATORU、Kyoju to Joshu Gallery惺SATORU
2011 藤田道子展 ギャラリーゴトウ

Selected Group Exhibitions
2001 六月の現状展 小野画廊II
2002 入る出る 東京造形大学内
2004 乙女会議 ギャラリーエス 
2005 まぼろし同士 ギャラリーアルテリア
2006 アトリエ展 スタジオCo
2009 TCAF2009(東京美術倶楽部)
2010 FLOWERS Gallery惺SATORU 、 「色考|白」Gallery惺SATORU
2011 行商~ギャラリーサーカス(スパイラルガーデン/Gallery惺SATORU)

身近に起こる自然現象やそこから受ける感覚を表現してきた藤田道子ですが、今回は紙・鏡・ガラスの版画作品、ドローイング、小立体によるインスタレーションで”みみをすます”事を表現致します。

またオリジナルTシャツやポスターもつくりました。暑さ厳しい中ではございますがぜひご高覧頂ければと思います。なお作家在廊日はツイッターにてお知らせ致します。

※全文提供: ギャラリー惺SATORU


会期: 2011年7月7日(木)-2011年7月31日(日)
会場: ギャラリー惺SATORU

最終更新 2011年 7月 07日
 

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