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大木裕之:うちんこ!
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 17日

画像提供:Art Center Ongoing | Copyright© Hiroyuki Oki

大木裕之は、東京大学工学部建築学科在学中の80年代前半より映像制作を始め、卒業の翌年に制作した「遊泳禁止」でイメージフォーラム・フェスティバル1990年度審査員特別賞を受賞、1995年には「天国の六つの箱 HEAVEN-6-BOX」(1994-95)で第46回ベルリン国際映画祭ネットパック賞を受賞、その後も、サンダンス映画祭、ロッテルダム国際映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭など数々の国際映画祭で作品が招待上映されるなど、非常に高い評価を得ている映像作家です。

大木は、性や政治をテーマにした映像作品をこれまで数多く発表してきました。日本では曖昧にされがちなセクシュアリティに関する問題を、大木自身の困惑を織り交ぜながら静かに描き出しています。そこには大木が海外で体験した西洋と日本におけるセクシュアリティを巡る差異が強く反映されています。

大木の作品の多くは、日常にありふれた光景を素材としながら、そこに含まれる意味を一度脱却し、無数のイメージの集積として再構成されます。彼の映像を前にすると、作家の頭の中を直接覗いているかのような錯覚に陥り、違和感を覚えながらも、いつの間にかその世界に引き込まれている自分に気付かされます。

大木は、個人の世界観を極限まで突き詰めることによって、遂には社会性を獲得するという、その二律背反を突き破る表現に成功しているのです。

今回の展示で、大木は全会期中会場に足を運び、展示を常に更新しながら空間を構築していきます。映像作品と同様、無数のイメージの積み重ねにより、詩的情景を築き上げながら、静かに我々を迎え入れてくれることでしょう。

新境地に足を踏み入れる大木裕之の作品世界、是非この機会に多くの方々にご覧頂ければと思います。

■ 6月18日 (土) 19:00〜
オープニングパーティー + スペシャルパフォーマンス
参加費:1000円(軽食、ワンドリンク付き ※入場料含む)

■ 6月23日 (木) 19:00〜
『アートのこれから』ちんポジウム
ゲスト:利部志穂(事物)、泉太郎(現代美術家)、ヌケメ(ファッション)、鵜飼悠(写真家)
参加費:1000円(ワンドリンク付き 先着30名様 ※入場料含む)

■ 6月25日 (土) 19:00〜
『アート × 建築 × 震災後』シンポジウム
ゲスト:彦坂尚嘉(美術家、6400次元)、五十嵐太郎(建築評論家、東北大学教授)
参加費:1000円(ワンドリンク付き 先着30名様 ※入場料含む)

■ 6月26日 (日) 15:00〜
Pre Ongoing School
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャー。お好きなケーキとお飲物がついてきます
料金:1500円 (ケーキとドリンク付き、先着30名様 ※入場料含む)

全文提供: Art Center Ongoing


会期: 2011年6月15日(水)-2011年6月26日(日)
会場: Art Center Ongoing

最終更新 2011年 6月 15日
 

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