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上條花梨:There..., that station
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 1月 07日

《A fantasy in the red room》2008年 | 65.2x53cm、oil on cotton on panel | copyright(c) Karin KAMIJO | Courtesy of MEGUMI OGITA GALLERY

上條花梨は1980年東京に生まれ、東京藝術大学で絵画を学び2006年修士課程美術研究科を修了しました。彼女の絵はスパッタリングという筆に付けた絵具を指で弾いて絵具の粒子を画面に飛ばして制作します。その粒子でデコボコになった画面をグラインダーで削り平にしてまた粒子で色を付け削りと繰り返しながら筆の痕跡を残さない独特の方法で仕上げます。 完成した作品は古い写真や映像のような雰囲気に仕上がります。前回の個展では人のいない公園の遊具を描いたParallell Worldシリーズの作品を発表し注目されました。自分たちが子供の頃にはなかった近代的な遊具が彼女の絵の中ではとても懐かしい光景のような錯覚に陥りながら不思議な違和感と本来かわいらしい遊具がとても不気味に思える白昼夢のように描きだされました。その後Parallel Worldシリーズは公園から不思議な静物画に変化し古い写真と人形など身の回りや雑誌などから取って来たイメージを再構成して描くようになりました。 今回の個展「There..., that station」では9月より12月までフィンランドのアトリエ・スタンダーズでのレジデンスプログラムで制作した作品を中心とした新作を発表致します。フルーツの静物画、フィンランドの田舎町の風景の中におかれたおもちゃ達、赤い部屋の中の変な顔の女の子などより不気味さと新鮮さを自然にブレンドした作品が登場致します。丁寧に仕上げられたクラシックな懐かしい雰囲気の中にどこにもない光景を描いた上條花梨の作品に是非ご注目下さい。

※全文提供: メグミオギタギャラリー

最終更新 2009年 2月 06日
 

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