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棟方志功:祈りと旅
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 13日

《飛神の柵(御志羅の柵)》1968年|棟方板画美術館 | 画像提供:愛知県美術館 | Copyright© Shiko Munakata

ゴッホに憧れ「わだばゴッホになる」と美術の道に進むことを決意した棟方志功 (1903~1975)。やがて版画の世界に触れ、版画こそが日本独自の美の表現だと確信します。板という素材の持つ力に注目し「板の生命を彫りおこす」ことを探求した棟方は、自ら「板画」と称する木版画で旧来の版画の常識を覆しました。そして1955年のサンパウロ・ビエンナーレ、翌年のヴェネツィア・ビエンナーレの版画部門で最高賞を受賞し、国際的な評価を確立します。板画を中心に肉筆倭絵や油彩画など、多彩な活動に打ち込む棟方の創作意欲は、生涯衰えることはありませんでした。

本展覧会では、「祈りと旅」をテーマに棟方の画業を振り返ります。松尾芭蕉に想いを馳せ『奥の細道』に倣った旅のスケッチをもとにした《奥海道(おうかいどう)棟方板画》など棟方板画を代表する〈海道シリーズ〉や、全長26mにも及ぶ《大世界の柵》は、本展最大の見所です。その他にも、仏教や古代神話、故郷である東北を題材とした数々の板画や、直筆の倭絵、書、陶芸といった文人的な作品から晩年の油彩画に至るまで、約70件300点を通して、棟方の制作活動の全貌をご紹介します。

なお、東北出身の著名な版画家棟方志功を特集する本展は、被災地の長期に及ぶ復興を支援していく「東北復興支援特別企画」という位置づけのもと開催されます。

東北復興支援事業
この展覧会でお買い求めいただいたチャリティーグッズのポストカードおよびポスターの収益は、朝日新聞厚生文化事業団ならびに全国美術館会議を通じて、被災地の復興ならびに文化財、美術品救援活動のための義援金にあてられます。

全文提供: 愛知県美術館


会期: 2011年7月9日(土)-2011年9月4日(日)
会場: 愛知県美術館

最終更新 2011年 7月 09日
 

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