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越前谷嘉高 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 13日

《水と風土》2009 Acrylic, Canvas 116.7×91cm | 画像提供:コバヤシ画廊 | Copyright© Yoshitaka Echizenya

越前谷嘉高は、80年代より活動を続けるペインティングアーティストです。

山水的な風景を基本に建物や風景、またそこに佇む人物などを同一画面に繰り返し、無限に続いていく幻想的な作品を制作していた90年代から、近年は、古代神話や仏教、昔話などの物語性のあるモチーフを、作家独自の図形的・記号的な方法で描いた作品を発表しています。

今回はキャンバスにアクリルで描かれた大作数点を展示予定です。

人間は世界を知覚して、さらに推測したり分析したり理論づけたりする。しかし逆に、観念によって現実が意味や価値を持つのが、人間らしいリアルな認識である。
そのような観念とは一種の仮説であり、虚構ともいえる。
虚構は人間が現実に生活する上で大きな力を持ち、虚構がなければ現実の生活は成り立たないだろう。
そのような虚構と現実との関わりを、テーマとして絵画を制作した。

越前谷嘉高 Yoshitaka ECHIZENYA
1961 北海道に生まれる
1986 多摩美術大学大学院美術研究科修了
1986より個展多数

グル-プ展
1985 「絵画と彫刻の新世代展」 佐谷画廊,東京
1986 「第5回平行芸術展」 小原流会館,東京・大阪
1988 「Summer 3人展」(川俣正,諏訪直樹と)コバヤシ画廊,東京
1989 「Japanese Contemporary Art in the 80's-90年代へのプロロ-グ」 Heineken Village,東京
1990 「confirm '90 vol.2 Kurokawa+Echizenya」(黒川弘毅と)コバヤシ画廊,東京
1991 「箱の世界 Do It Yourself」 水戸芸術館,茨城
1992 「北海道・今日の美術'92」 北海道立近代美術館その他北海道巡回
1994 「VOCA'94」 上野の森美術館,東京
1995 「絵画考-器と物差し」 水戸芸術館,茨城
1997 「存在の夢」Municipal gallery+Museum Kiscell, Budapest Hisutory Museum, ハンガリー
1998 「VOCA'98-現代美術の展望・新しい平面の作家たち」 上野の森美術館,東京
1999 「ペインティングフォージョイ:1990年代日本の新しい絵画」国際フォーラム, 東京
2000 「越前谷嘉高・黒川弘毅展」コバヤシ画廊, 東京
2004 「KIAF2004 韓国国際アートフェア」[コバヤシ画廊ブース]COEX. ソウル
2006 「森 」としての絵画 -「絵」のなかで考える」岡崎市美術博物館, 愛知
2009「エロスとペリパトス」(黒川弘毅と)コバヤシ画廊, 東京

全文提供: コバヤシ画廊


会期: 2011年6月20日(月)-2011年7月2日(土)
会場: コバヤシ画廊
オープニングパーティー: 2011年6月20日(月)17:30~

最終更新 2011年 6月 20日
 

編集部ノート    執筆:田中 みずき


《水と風土》2009
Copyright© Yoshitaka Echizenya

    絵巻よろしく、縁取られた雲と一緒に描かれる上空からの風景は、暖色系の油絵具で、洋風にまとめられている。下に色を重ねた風合いは油絵の画材やマチエールを意識させる一方、枠線による明確な区切りは日本画を思い起させる。また、イラストのような鳥等も組み合わさり、古今東西の絵画の歴史が一枚の絵画の中に納まっているように思える。大小の17点の絵画の中には様々なモチーフやコンセプトが秘められているのだろうと考えながら楽しみたい。


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