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CABINET LIBRARY Vol.04:佐久間里美/ジョン・バー
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 5月 30日

佐久間里美《○△□》
画像提供:Port Gallery T
Copyright© Satomi Sakuma

CABINET LIBRARYは、2008年に開始したスモールサイズのプリントに注目したギャラリープロジェクト。今回2名の作家を紹介します。

佐久間里美は、絵を描くこと・見ることから芸術へ貪欲に近づき写真作品の発表を重ねるアーティストです。

ジョン・バーは、グラスゴーを拠点に活動する建築家で、造形そのものから湧き起こるイメージの探求、写真作品の制作を展開中です。

二人の制作へのアプローチはまったく異なりますが、「ものの見方」に迫り、新たなリアリティを掴もうとする試みでもあります。プロジェクトの主旨「小さなサイズ」の興味深さは、作家の営みの素のようなものが凝縮し、間近で見つめられる点にもあります。

※全文提供: Port Gallery T


会期: 2011年5月30日(月)-2011年6月11日(土)
会場: Port Gallery T

最終更新 2011年 5月 30日
 

編集部ノート    執筆:平田 剛志


佐久間里美《○△□》
画像提供:Port Gallery T
Copyright© Satomi Sakuma

多くの写真は現実を対象に依拠したものだが、現実の見え方とは異なるものの見方が現れるのが、写真の魅力でもある。今展で展示される佐久間里美とジョン・バーの写真も私たちの固定化したものの見方とは異なるイメージを見せてくれるだろう。

○△□は、さまざまなかたちに見立てられる。それは積み木だったり、おでんや田楽かもしれない。佐久間の建築物を撮影した『○△□』と題するシリーズも、さまざまな見立てを誘発する写真である。シリーズを見ると、光や影、壁や屋根などが瞬時には判別し難くトリミングされているため、奥行きのない平面的な写真に見えるのだ。その奇妙な構図は○△□の組み合わせのように、写真の中にいくつもの異なる見え方が表れてくる。ジグソーパズルのように、鑑賞者の頭のなかで写真イメージが再構成される知的写真体験を味わいたい。

ジョン・デンバーは、グラスゴーを拠点に活動する建築家だが、近年は写真作品も制作・発表している。今展の写真は、現代建築に古代の建物に使用されていた色彩をコンピュータで施した写真作品だ。現代的造形と古典的色彩の組み合わせによって生まれるイメージとしての建築写真である。

現実のイメージを新たに読みかえる2作家の試みは、2人が写真を正規に学んでいないという点に求めることもできるだろう。枠にとらわれない写真表現の自由さをあらためて感じさせる良質な二人展だ。


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