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澤田志功
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2008年 12月 02日

澤田志功《呼吸する月Ⅱ》 テラコッタ、40X30X82cm copy right(c) Shikow Sawada. Courtesy of Galerie Suiran

これまで多くの芸術家が創作テーマとして取り上げてきた「生と死」の問題を澤田志功もその根源的なテーマとして取り上げてきた。 自身が「宮沢賢治や文学性に興味がある」というようにその作風にはこれまで、ある種独特の物語性をが強く感じることが出来る。さらに近年では、地球が繰り返してきた生命の進化に見られる、単なる同じ生命の死から生への繰り返しではなく、新たな形に変貌進化していくような「ミューテーション」的な、新たな再生の象徴として造形をイメージさせる作品を多く試みている。例えば顔が複数ある「Lunatic Plant」は、異質なものへと進化を遂げたものというイメージで制作。タイトルの多くに、「Luna」または「moon」「月」という言葉を使用し、月に見立てながら、植物のカタチに置き換え、直接的な生命の形態を表現すなど。
※ミューテーション:突然変異とか生物の遺伝形質が親の形質と異なって現れること。 本展に際し、以下のようなタイトルを添え、作家自身が文章を寄せている。 サブタイトル「太陰(つき)の森」
以前より、動物や鳥などをモチーフに、塑像や木彫といった手段で、ある種のシュールさを取り入れながら制作してまいりました。そのつど、様々なテーマ性を盛り込んでは発表してきたつもりではありますが、一貫してコンセプトの基盤にあるものは、自然律の中の本質、必然性というか、そういった部分を求めることで「生命の在り方」「有機的な美しさ」をどこまで模索できるか考えて生きたいと思っています。 澤田志功
1965東京に生まれる
1990 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
1998 「第7回現代具象彫刻展」優秀賞受賞(千葉)
2000 「第35回昭和会展」日動美術財団賞受賞(東京)
2006 「大分アジア彫刻展」大賞受賞
現 在 文化女子大学造形学部准教授
※全文提供: 画廊翠巒

最終更新 2008年 12月 06日
 

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