The BAR vol. 5:Rounds – めぐりめぐる |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 5月 23日 |
3月に発生した東北関東大震災は、多くの海外のアーティストにとって、滞在をあきらめざるを得ない大きな出来事となりました。そのようななか、ラトナウランとハルドーノは、来日を強く希望し、4月初旬より滞在を開始しました。2人からは、こうした不安定な状況においてもなお、東京の魅力を積極的に発見し、制作の動機としていく、表現者としての絶え間ない探求心と活力が伺えます。 2002 年に若干21 歳で、アジアのアーティストを紹介する展覧会「アンダー・ コンストラクション アジア美術の新世代展」(東京オペラシティアートギャラリー/国際交流基金フォーラム)に参加したシャギニ・ラトナウランは、インドネシアで注目を浴びるアーティストの一人です。また、ファッション・ブランドのディレクターとしても、精力的に活動をしています。本展の新作では、「夢と現実」をテーマに、滞在中に見つけた古い家具やタイプライター、クッションなどを使用し、インスタレーションや写真、ドローイングを展示します。 美術大学在学中より、インドネシアの数々のアート・スペースにて制作発表を行ってきた新進気鋭のアーティスト、デュート・ハルドーノは、サウンド・インスタレーションやパフォーマンス、ドローイング、コラージュなどを制作しています。特に、巻き取りの変化で楽曲の速度を変えたり、予測不能な音のブレやズレが生じるカセットテープをはじめ、レコードや古い楽器などの素材を積極的に作品に取り入れます。本展では、東京に溢れる音や、話し声などを無作為に録音したサウンド・インスタレーションをはじめ、滞在中に収集した物を貼り合わせたコラージュ作品を発表します。また、オープニングでは、東京で見つけた中古のシンセサイザーを使用し、パフォーマンスを行います。 大小の無数の島々により構成され、さまざまな歴史、宗教、文化、思考などが混在するインドネシアは、アート・シーンにおいても、豊かな表現が生まれています。新進気鋭のインドネシアのアーティストの力作を、ぜひご期待ください。 関連トークイベント ※全文提供: AIT 会期: 2011年5月28日(土)-2011年6月11日(土) |
最終更新 2011年 5月 28日 |