| EN |

久恵真由美:出会いなおす。- 再構築の価値 -
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 5月 12日

画像提供:プラザ・ギャラリー|Copyright© Mayumi Kyue

作家コメント
もう既に大変豊かであり、手にはほぼ目いっぱい何かの価値あるものを持っている、そんな場所から何かを創造すること、見出すことは、満杯の中に隙間を見つけ埋めていくような、息が詰まるものだと思うだろう。

新しい価値、新しい理論、新しい関係性
それらは突然、何の脈絡も無く生まれるわけではない。

必ず既に有るものの影響を受けている。
一つのこととも、無関係ではいられない。

では、どうするか。
一度今もっている価値を分解し、手放してはどうか。
軽やかに、価値を解いて結びなおす、そんな態度で創造できれば息はし易く、
結びなおした先には、よく知っているのに新鮮な価値に出会いなおすことが
出来るのではないかと思う。

久恵真由美(KYUE Mayumi)
1985 富山県に生まれる。
2009 金沢美術工芸大学 美術科 彫刻専攻 卒業
2011 金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科 彫刻専攻 修了

賞暦
2010 kawaii賞 審査員 井出洋一郎賞
2011 第六回大黒屋旅館現代アートコンペ 入選

作品点数:15点前後

※全文提供: プラザ・ギャラリー


会期: 2011年7月2日(土)-2011年7月31日(日)
会場: プラザ・ギャラリー

最終更新 2011年 7月 02日
 

編集部ノート    執筆:田中 みずき


Copyright© Mayumi Kyue

乾いた洗剤のこびりついた束子、と思ってよく見ると、束子にかかっているのは糖衣である。また、指先に乗りそうな小さい直方体は、薄い布を縫って作られており、中に黒いビーズが詰まっている。それが幾つも重なりあう。繊細な触感と、柔らかな布地の間にできる隙間とがなんとも朧で美しい。見慣れた束子が違うもので覆われていることは観ただけではわからないだろうと思ったり、また、危うげな存在をしっかり触れて観たくなったり、指先で確かめたくなるような仕掛けが施された展覧会。帰宅してから、日常で観る風景が違ってくるかも知れない。


関連情報


| EN |