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佐賀町アーカイブCOLLECTION plus, 1:大竹伸朗 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 5月 10日

大竹伸朗《ミスター・ピーナッツ》
1978-81年|91.0×72.5cm
画像提供:佐賀町アーカイブ
Copyright © Shinro Ohtake

佐賀町エキジビット・スペース(1983–2000)の活動とコレクションを点検しつつ、日本の美術の現代史を綴る試みを始めます。初回は大竹伸朗さんを迎え、佐賀町での伝説的といわれる個展(1987)からの絵画や映像記録、70 年代終わりの絵画《ミスター・ピーナッツ》、本展にあわせて生まれた油彩や素描などを展示します。

■作家プロフィール
[おおたけ・しんろう]1955年、東京生まれ。主な個展に「大竹伸朗全景1955-2006」(東京都現代美術館、2006年)、「大竹伸朗路上のニュー宇宙」(広島市現代美術館、福岡市美術館、2007年)、主なグループ展に「アゲインスト・ネイチャー:80年代の日本現代美術」(サンフランシスコ近代美術館他巡回、1989年)、「キャビネット・オブ・サインズ」(テート・ギャラリー他巡回、1991年)など国内外で展覧会多数。また、2010年には光州ビエンナーレに参加し、1997年~2006年にかけて制作したスクラップブック全64点を発表。同時期にTake Ninagawaで個展「#65 2005-2010」を開催した。佐賀町エキジビット・スペースでは、1987 年に「大竹伸朗展1984-1987」を開催。ロンドン近代美術館(ICA)での個展「大竹伸朗ペインティング/コラージュ」(1985)で発表した作品など新旧の大作を展示し、大きな反響を呼んだ。

■佐賀町アーカイブとは
1927(昭和2)年竣工のかつては廻米問屋市場として栄えた「食糧ビル」の空間を再生し、1983 年から2000 年までの17 年間、現在進行形のアートを発信した日本初のオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」。森村泰昌、内藤礼、大竹伸朗、杉本博司、立花文穂など多数のアーティストを輩出した。2011 年より「佐賀町アーカイブ」として、佐賀町エキジビット・スペースの活動と資料、作品コレクションを検証し、展示し、語り、学ぶ、アーカイブをショーケース化するという新しい試みをスタートする。

※全文提供: 佐賀町アーカイブ


会期: 2011年4月22日(金)-2011年7月4日(月)
会場: 佐賀町アーカイブ

最終更新 2011年 4月 22日
 

編集部ノート    執筆:田中 みずき


大竹伸朗《ミスター・ピーナッツ》1978-81年
91.0×72.5cm
画像提供:佐賀町アーカイブ
Copyright © Shinro Ohtake

1983年から17年間、オルタナティブ・スペースとして活動してきた「佐賀町エキジビット・スペース」が場所を移し、同スペースで行われた活動を「佐賀町アーカイブ」として公開していく第一弾プロジェクト。ここ数年、東京都現代美術館での個展や四国・直島の銭湯「I♡湯」等の印象も鮮烈な大竹伸朗の展示である。しかし、展覧会等で強調された、カラフルなコラージュ等を駆使するキッチュな作品とは違った印象を受けるだろう。絵画作品の細かく描きこんだ画面や、多用された茶色の色彩等が、画家の一面を改めて提示していて、はっとさせられる。出品されている、過去の展覧会で展示された作品6点のほか、今回の展覧会に合わせて描かれた絵画3点も見逃せない。過去作と並べると、変化や共通点から作家の思考の跡が観えてくる。このほか、書籍等の資料や、87年に同スペース展示の際に大竹自身が撮影した当時の映像等が公開。


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