幕内政治企画による「ex-chamber museum presentsグループ展。

幕内さんはひたすら多くのギャラリーを回り、自ら主宰するアートサイトex-chamber museum で多くの展示をタイムリーに紹介し、アートファンの先導役として活躍中、近年ディレクター単位で出展するアートフェアULTRA などを通して自らの企画による展示を行い、高い評価を得ているところです。今回私たちのスペースを利用し、ギャラリー空間での展示にその活動の場を広げ、注目の作家を紹介しようとするものですが、紹介作家と共にその企画力をご高覧いただければさいわいです。

みなさまこんにちはこんばんは、ex-chamber museum 主宰の幕内政治でございます。このたび、GALLERY MoMo Roppongi で展覧会を企画させていただくことに相成りました。過去3 回開催されたULTRA でもさまざまなクリエイションを紹介して参りましたが、今回はこれまで拝見したGALLERY MoMo での展示で得た印象を僕なりに踏まえ、ふたりの女性ペインターをメインにフィーチャーすることにした次第です。

鶴友那（つる・ゆうな）は現在佐賀大学大学院に籍を置き、小木曽誠氏に師事、その緻密な描 画スキルを受け継ぎつつ、女性らしさを感じさせる繊細で儚く虚ろな世界を紡ぎます。多くの 作品に女性を登場させ、透明感を保ちながらも濃く深く展開されゆくメランコリックな幻想。 高い写実性で表現されるさまざまなモチーフはそのひとつひとつが瑞々しさと憂いをたたえ、しっとりと潤いに満ちる静謐となって観る者の心に寄り添います。

一方、京都を拠点に活動する鶴井美和（つるい・みわ）は一転、写実表現にダイナミックなストロークを大胆に画面に重ね、広々と遠くへ続く風景の壮大さと力強く動的で画面から溢れて迫りくるような抽象的な描写とでアグレッシブな世界を築き上げます。そしてその世界を満たす気配は爽快さを持ち合わせ、ポジティブに高揚感を煽ります。

内省的な世界と開放的な世界。ゆっくりと沈むような朧げな静寂とひたすら膨らんで拡張し続ける躍動。さまざまな視点で対照的な展開を繰り広げるふたつの個性、それぞれの新鮮さに触れていただければ幸いです。
－2011 年　ex-chamber museum　幕内 政治

※全文提供：　ギャラリーモモ六本木

会期：　2011年6月18日（土）－2011年7月9日（土）
会場：　ギャラリーモモ六本木
オープニングレセプション：　2011年6月18日（土）18:00 - 20:00