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市村しげの:Intimate Relativity -親密さの相対性-
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 5月 02日

《Intimate relativity》2011年
Mixed media on canvas|90 x 90 cm
Copyright © Shigeno Ichimura
画像提供:ベイスギャラリー

ニューヨーク在住のアーティスト・市村しげの(1963年沖縄県生まれ)の個展。既に1997年、全米最大のアートコンペティションの一つ「テキサス・ナショナル」でアジア人として初入賞(第2位)を果たし、 2002年には芸術基金よりフェローシップを受賞、その後ニューヨークを中心に多数の個展、グループ展を果たしています。

今回は、2005、2008年に続き当画廊の3度目の発表となります。銀色という無彩の上に、一見機械的に付されたドットが表現されていますが、それは今回も全て市村の手からスクイーズされ描かれたものです。ドットは規則正しく描かれ、その一個一個がかけがえのない個そのものを表現し、更に引き返せない刻々の時間をも表現してきました。本展の作品も本質において従来と変わることはありません。ただ元々小さな個の集積はその個と個、相互の関係をはらんでおり、それを問うのはむしろ自然な帰結というべきでしょう。刻々の時間の流れが大きな時間の中で捉えられねばならぬことも同様のことです。今回はその本質に立ち戻り、相互の関係を意識的に喚起する表現が作品に現れてきました。例えば、個をつなぐ契機として小さい色彩が画面に描かれています。

また、RELATIVITY、AGGREGATEという文字が書き込まれ、無機質、整然としたドットの配列に潜む相互の関係と影響を暴いていきます。規則の中に放り込まれた色彩と文字は、その一見静謐な規則をかき交ぜ、改めて私たちが複雑な関係の中に生きている事を示すものです。 新たな展開を見せる本展を是非ご高覧の上、ご喧伝下さいますようお願い申し上げます。

※全文提供: ベイスギャラリー


会期: 2011年5月13日(金)-2011年6月30日(木)
会場: ベイスギャラリー

最終更新 2011年 5月 13日
 

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