平川ヒロ:よじのぼったネズミと、くぐりぬけようとするネコ |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 4月 28日 |
平川ヒロの初個展。平川ヒロ(1984年佐賀県生まれ)は、2009年に愛知県立芸術大学を卒業、同年「トーキョーワンダーウォール2009公募 大賞」と「Art award Tokyo Marunouchi 2009 天野太郎賞」を受賞し、大きな注目を集めている若手アーティストです。 ・同じ、または異なる次元にある複数のものの、内包するいくつかの構造や、存在そのものを関係づける。同時に別のものへと変化させうる。(2011.2.21のメモより) ・例えば、決められたコース内を周回するカーレースの最中は、ゴール地点を何度も通過する。その位置での、後ろへ向かうために前進し、永続のように思える1/1000秒の状態。(2010.12.30のメモより) 今回の新作シリーズは、数年前にケルンで撮影したという一枚の写真、タカ・イシイギャラリー京都の展示スペース写真の断片、両者における偶然とは思えぬイメージの重なり合いといった複数の出来事がベースになっています。作家自身の制作メモに「いくつかの構造や、存在そのものを関係づける」と書かれているように、平川は「描くこと」を起点としながらも、「描く」という行為から離れ、構造や存在についての考察を重ね、いくつもの可能性を試みていきます。出品作はサイト・スペシフィックなインスタレーションを中心に、綿布を縫い合わせたキャンバス、木炭によるドローイング、油彩ペインティング、立体など、異なる形態の作品によって構成されています。 展覧会全体を通して、インスピレーション源となった写真のイメージが何層もの記憶のレイヤーとなり、互いのイメージが反復され重なり合っていく最新作をぜひご高覧下さい。 ※全文提供: タカ・イシイギャラリー 会期: 2011年5月14日(土)-2011年6月18日(土) |
最終更新 2011年 5月 14日 |